デービッド・イゲ知事 観光再開に慎重
コロナワクチンの接種が世界中で始まり、ハワイ州においても高齢者を中心に2度目のワクチン接種が進んでいる中で、デービッド・イゲ知事はワクチン接種を受けた人々に対する旅行規制を緩和することに対して慎重な姿勢をとっている。
理由として、ワクチンがウィルス感染を防ぐかどうかが科学的に証明されていないことをあげている。
「感染拡大を抑制することが最も重要なことであるため、ワクチン接種を受けた人がウィルスを他の人々に移さないということが科学的に明らかにならない以上、ワクチンを接種した人が自由に旅行することができるというのは無責任となるだろう」
この発言は、ジョッシュ・グリーン副州知事の先週の発言と全く矛盾している。
グリーン副州知事は、ワクチン接種をした証明書を持つ人々のためにハワイ州のセーフ・トラベル・プログラムに変更が必要だと述べていた。
このプログラムではハワイ州への訪問者及びハワイ州へ戻る住民に対して出発前検査を受け、陰性証明を提示しなければ10日間の自己隔離を必須としている。
また、オアフ島の住民は隣島を訪れる場合にも自己隔離を免除されるためには検査を受ける必要がある。
オアフ島では、英国で最初に発見された非常に感染力の高いとされる変異種に対する陽性反応が2件発生しており、2人とも最近どこかへ旅行に出かけていないという。
この変異種がハワイで見つかったことはイゲ知事の決断をさらに慎重にしている。
一方、ハワイでの感染数は徐々に減少傾向にあり、ワクチン接種は週3万人から4万人に行われている。
ハワイ州経済も非常に苦しい状況が続いており、州の予算不足と共に連邦政府からの救援のみを頼りにしている。
バイデン大統領の救済策は、ワクチン接種の推進、学校再開、失業保険延長と一定所得以下の国民1人に1,400ドルの一時給付金と、地方自治体に対する援助だが、イゲ知事はさらなる連邦政府からの救済があるかもしれないとしている。
写真:Theodore Trimmer / Shutterstock.com
(日刊サン 2021.2.9)
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