ハワイアンホストが売却
61年の歴史を持つハワイアンホスト社が作るチョコレートで包まれたマカダミアナッツは長く人々に愛されてきたが、新型コロナウィルス感染が拡大して観光客がいなくなったハワイで経済的打撃を受けていた。
460人の従業員を抱え、昨年には取引先への支払いができなくなるなど破産に直面していたが、1月11日に地元と本土の投資家グループによって買収が決まったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
買収金額は公表されていない。
買収した投資家たちの個人名も公表されていないが、その中には2019年から社長を務めているエド・シュルツ氏が含まれており、シュルツ氏がCEO兼社長として今後会社を率いて行くことになっている。
今回の買収にはハワイアンホストの別ブランドであるマウナロアも含まれている。
売り手となったのは、ハワイアンホストの創業者によって設立された財団で、このマモル・アンド・アイコ・タキタニ財団はハワイの子供たちを支援する目的でタキタニ夫妻によって設立されている。
財団は売却代金とともに将来のハワイアンホスト社の利益分配を受けることになっているが、会社の所有権は持たない。
マモル・タキタニ氏の甥で取締役を務めていたトニー・タキタニ氏は「ハワイアンホストグループの将来のために一番良い決断をしてくれた取締役会に感謝する。会社は今までにないほどの苦境に立たされていたが、これから長い将来に渡って発展していく基盤ができた」と書面で感謝の意を表している。
ハワイアンホスト社は新しい投資家からの資金で、ホノルルの製造工場とケアアウのマカダミアナッツ処理施設を近代化し、オンライン販売も進めていくとしている。
また、マカダミアナッツのミルクから作った乳製品を含まないアイスクリーム(フレーバー6種類)を全国的に販売することを予定している。
ハワイアンホスト社は、新型コロナウィルスの感染拡大以前にはおよそ1,400万ドルの売り上げを誇っていたが、観光客の激減により売上が落ち込み、6月にはホノルルの製造工場を3,000万ドルで売却し、カリフォルニア州にあった製造工場を閉鎖するなどしていた。
写真:Lynn Watson _ Shutterstock.com
(日刊サン 2021.1.12)
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