「三密」の回避に、 自転車を通勤の足にすべきか?!
東京のオフィスで働く大多数のサラリーマンは、近郊の住宅地から都心の会社までは電車、地下鉄或いはバス等を通勤の足として利用している。だがこれら通勤の足は、例え時差出勤が奨励されている現状でも、ラッシュアワーの時間帯になると、車内は依然混む。そのため、体力がありスポーツ好きな若いサラリーマンは、自転車での通勤に改める人が多くなってきているそうだ。こうすることにより「コロナ禍」の「三密」を徹底的に避けられるばかりでなく、自分の体を鍛えるチャンスでもあり、正に一挙両得であると思う人が急速に増えてきている。
そのような状況で、最近、急に、日本各地の自転車屋さんが久々に商売繁盛になってきた。或る統計によると、東京都心や近郊の自転車屋が、コロナ禍が流行り始めてから、突然自転車が飛ぶように売れるようになってきたという。しかも特によく売れているのが比較的高価で、軽く、扱い易い、新型タイプの自転車だという。
先日、久しぶりにコンビニで、旧友に偶然出会った。彼は以前よりたくましくなったようで、声に張りあっても以前より健康的であった。彼曰く、自分は今この「鉄馬」を通勤の足として、会社と自宅を往復している。傍にあった一台の自転車を指差し、「こいつのお陰で、俺は以前よりも元気になったんだ!」と笑顔で語った。
確かに東京近辺では「三密」を避けるために、自転車を通勤の足として利用せざるを得ないという光景の変化は、誰もが感じる東京の今日この頃である。このような社会の急速な変化から心配されることは、自転車乗りによる事故が多発する可能性である。そのため、自転車販売店は自転車を売ると同時に、事故による自転車保険の加入も客に強く勧めざるを得なくなった。
警察庁のまとめによると、最近仕事のための自転車通勤よる交通事故が、今年1-9月に全国で958件発生し、昨年同期より1割近く増え、このうち歩行者にぶつかった事故が1.6倍の113件にのぼるという増加ぶりである。
日本損害保険協会によると、自転車事故で9千5百万円の賠償を命じた判決の事例が、2013年にあった。この事件は、ある男子小学生が自転車で帰宅途中に女性と正面衝突し、その女性の頭の骨が折れるなどして意識が戻らなくなったと言う事件に対する判決であった。この高額賠償がきっかけで、自転車乗りの保険加入を義務付ける自治体も、近年は増加している。
一方、会社でも自転車を通勤の足として利用している社員に対しては、保険料を負担する企業も現れてきた。例えば、自転車販売の大手である「あさひ」は、約500人の自転車通いの社員に、上限1億円の個人賠償責任保険を提供しているという。
今、コロナ禍は確かに全世界に大きな悪影響をもたらし、終息の日はまだまだかなり先のようである。そこで我々地球人に今求められている事は、全世界の全ての英知を結集し、我々が生きる地球という惑星から、この執拗な疫病を永遠に駆除すべきでことであろう。
今どき ニッポン・ウォッチング Vol.193
早氏 芳琴