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ちょっと役立つ 日本の新製品

牛の飼育管理をAIで

牛の飼育管理をAIで

 小生が小中学生の頃、実家には数頭の乳牛が飼育され、毎日朝夕に搾乳し、牛乳工場へ出荷しておりました。大きなミルク缶を自転車に積んで運ぶのが私達子供の仕事でした。農業もしておりましたが、年に1、2回の米麦では生計に不十分で、子供達の学費を払ったのは、これらの乳牛のおかげなんだとよく、父母に言われたものです。

 さて、今回は、この畜産業にもAI技術を活用しようという話です。「ファームノート(株)」では、牛向けのウエアブルデバイス「Farmnote Color」を牛の首に装着し、牛の活動(反芻、動き、休憩など)のデータをセンサーでモニターし、搾乳、繁殖、疾病状況などの生産性を監視・管理するシステムを開発しました。個体毎の分娩日・乾乳日などの保存データと活動データを照らし合わせて、異常検知も行います。反芻時間や行動量が低下している牛、推定流産牛、推定周産期疾病牛、乳量低下と活動低下による推定疾病牛の検知などの様々な条件で個体牛を検索することが出来ます。もちろん複数の牛を対象に、牧場毎の管理ができます。

 首輪センサーからの情報は保持され、数値とグラフの形式で表示されます。発情は何時に始まり、受精適期は何時か、活動量・反芻時間はどのタイミングで増減しているかなど、一目瞭然です。牛舎に人がいない農繁期や夜間、外出時には、スマートデバイスで遠隔監視ができます。個々の牛を一頭ずつ、保存データと実時間データをスマホで比較して見ながら、見回ることもできます。

 「ファームノート(株)」では、農業向け中継基地局というクラウドシステムを計画しており、個別の牛の管理から、大規模な牧場の生産性管理を目指しています。既に、鹿児島の福永畜産、群馬の冨澤牧場、北海道のスライブハーツなど全国の多くの酪農牧場の管理に導入されているそうです。牛一頭あたりのセンサー・ハーネスの値段やシステム全体の利用料、そして機能や性能の制限などは、問い合わせてくれとのことです。

 そうそう、乳牛(雌牛)は出産して子供ができないと、ミルクは出ません。従って、出産、搾乳をサイクルで何回か繰り返すのです。牛達を田畑に放飼にして草を食べさせたり、呼び集めて牛舎に戻し、搾乳したり、子牛が生まれる時などは感動ものです。個人的にも色々な思い出のある酪農支援システムの話でした!

酪農向けクラウドシステム:ファームノート社のウエブサイトより

No.278

となりのおじさん

在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで

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