ウイスコンシンで独り言 グリーンカード
10年ごとのグリーンカードの更新時期がまたやって来た。今回はオンラインで申請することとなり、移民局のサイトに行って、いろいろ簡単な質問に答えて意外と簡単に申請ができた。後は記入事項に不手際がなければ、受領した旨の手紙を移民局から受け取り、グリーンガード用の自分の写真を添付するのみと思う。
今回の申請ももう4回目で次回申請する時は自分が80歳近くなることを考えると、ひょっとするとこれが最後の申請になるかもって思ったりする。仮にそうでないとしても、あともう一回止まりだと思う。
そう思いつつ、10年ごとの申請も面倒なので、いっそのこと市民権を取ってしまう方法もある。市民権を取ってしまえば、グリーンカードの保持者のようにグリーンカードをはく奪される心配もなく長く米国以外の地に滞在することもでき、市民権を持ってないことによる相続などによる税の不利益がなくなるなどいいこともある。ただ自分の場合、日本への永住も考えている。でもその際でも自由にアメリカと日本の間を往来できるようにしておきたい。
実は、先日突然妻(アメリカ人)から「日本に住んでもいいよ」って言われた。ちょっと驚きもしたが、引退してから、何度か日本に長期滞在して、日本の生活もいいと考えるようになったし、何よりも自分が日本で「生き生き」しているのを見てそう言ったのだと思う。
妻は顔は日本人の顔をしていないが、心情はとても日本的でいつも義理とか世間体なんていうものを考えていて、どことなく日本的。妻も自分も日本でうまくやっていけると思うが、それでも言葉(日本語)のことが気になる。万が一自分が病気になったり、先にあの世に行く場合は、いろんなしきたりやら、医療関係者とのやりとり、役所などへの書類の提出など大変。
仮に自分が元気でも妻が通院する場合は一緒に行って、通訳などして聞きたくないことや、聞かない方がいいことも聞いてしまうことになるかもしれない。若い時には考えもしなかった「もし」の仮定の問題。先の事はわからないので、いくら考えてもきりがないし、意外と考えてもいなかったことが起こる可能性もある。
とにかくグリーンカードの再申請を済ませたけど、グリーンカードのままの状態でいるか、それとも市民権を取ってしまうか?この申請時にふっといろんな考えが駆け巡った。この日刊サンの読者の方々も「帰りたい人」「帰りたくない人」「どっちでもいい人」いろいろだろう。
ただ選択があって、選べるっていうのがいい。いろんな可能性を探る選択がある自分は幸せなんだと思う。
とどけMahalo! アメリカ本土便り No.89
大井貞二(おおいさだじ)
1988年にハワイに移住。地元の私立校で日本語を教える。その後、ハワイ大学大学院を経て、ハワイパシフック大学(HPU)にて世界中からやってくる学生に日本語を教え、最近退職。現在アメリカ本土に居住。
シェアする