普段はみえない世界
一雨ごとに秋が深まり、それにつれていままで緑だった街が、 黄色や赤色へと移ろい始めた。そんななか、もうすぐ訪れるハロ ウィンのオレンジ色も加わり、カラフルで明るいエネルギーの漂 っているニューヨーク。大統領選挙も近づき、寒くなるに連れて コロナの心配もまた懸念され、現実に抱える問題は山ほどある けれど、それでも日々の生活に置いて、たくさんの光も同時に存 在している。
世界的なコロナの状況下に置いて、今まで通りのような旅に はでかけることができなくなった。しかし、旅行好きは変えられ ない。そこで気軽にできること、それが脳内で旅のできる妄想旅行だ。いまやネットで検索すると秘境の島から世界遺産、ジャン グルの奥地までさまざまな場所の情報を得ることができる。
マチュピチュへ行ってみたり、アマゾンへいってみたり。コバ ルトブルーの海が眩しい小さな島でハンモックでお昼寝しなが ら、気が向いたら大好きな小説を読んでみたり。妄想だから、制限なく自由自在に繰り広げることができる世界。
世界中を行き尽くしたあとは、普段、みえていない世界へと想 いを馳せる。どこまでも蒼のつづく海の中だ。昔、スキューバダ イビングで世界の様々な海のなかをみてきた。オーストラリア のパースやグレートバリアリーフ、バリ島にセブ島、タイの小さ な島々にプーケット、ここでは書ききれない。国内では沖縄や高 知県。
忘れられない海での思い出はいくつかあって、そのなかのひとつが高知県。それまでは潜るとなると沖縄や海外の海ばかり に目を向けていた。しかし、たまたま友人に誘われて実家の香川県から車で行ける距離の高知県でダイビング。このスポット、期 待をせずに行ったこともあってか、今まで潜ったなかでベスト3 に入るほどの透明感と美しさ。当時、じぶんの暮らしている土地 からそれほど離れていない場所でここまですばらしい海の世界 が存在しているということに度肝を抜かれた。
灯台下暗しとはよくいったもので、近いからこそ観えていな いこともたくさんあるのだということを教えて貰ったできごと だった。
なにも、遠くまで足を運ぶだけが旅行ではない。自宅からたっ た数分の距離でも、今まで気づかなかった景色や新しい何かに 遭遇することもあるだろう。人生のすべてが旅でありアドベン チャー。距離など関係ないと思った。今、このご時世だからこそ 気づけることがたくさんある。
忙し過ぎて観えていなかった、目の前のしあわせひとつひと つがとてつもなくありがたいことで、奇跡の連続だったのだと気 づくこともできた。
普段はみえていない世界から感じること、味わうこと、聴くこ と、学ぶことは計り知れない。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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