ポンペイの呪い
「私は若くて愚かでした。許してください」
2005年に21歳だったカナダ人のニコルさんは友達2人と一緒にイタリアへ旅行し、世界遺産でもあるポンペイ遺跡を見て回った。
ポンペイ遺跡はナポリ郊外にある古代都市で、ヴェスヴィオ火山が噴火しそこから流れ出た火砕流が人々をのみこんで町全体が埋もれた場所だ。
ニコルさんたちは若気のいたりで、その遺跡からの出土品を旅の記念に持ち帰ってしまったが、その時から「呪い」がニコルさんと家族を襲い始めたという。
ニコルさんは2005年から今までの15年間に、両乳房をガンに侵され、金銭トラブルにも見舞われた。
ニコルさんは持ち帰った出土品をポンペイの旅行会社に手紙とともに送ったとフォックスニュースが伝えている。
「これ以上、呪いが私や私の家族に降りかからないようにしたいんです。誰も持っていない、歴史のかけらが欲しかった。若くて愚かでした。出土品をお返ししますので、どうか私の犯した過ちに対して正しい措置をしてください。本当に申し訳ありませんでした。いつか直接謝罪に訪れますので」
同封されていたのは、モザイクタイル2片、壺の破片2片、塀のかけら1片だった。
その時一緒に旅行をして同様に出土品を持ち帰った友人2人からも、出土品の入った手紙が届いたという。
手紙の中で二人は自らの行動を謝罪し、許しを求めており、ポンペイで亡くなった人々の魂が安らかに眠ることを祈ると書かれていた。
ポンペイ考古学公園の担当者によると、このニコルさんのように出土品を持ち帰ったものののちに返還されて来ることが今までに100件ほどあるという。
「持ち帰っても悪運しかもたらさなかったと言って送り返されてきます」
本当に呪いなのか、良心の呵責なのか、いずれにしても遺跡から出土品を持ち帰るのはダメですね。
(日刊サン 2020.10.13)
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