オアフ島のビーチがなくなる?
もしこれから海岸線の砂を保護する有効な対策が行なわれないならば、今後30年の間にオアフ島の40%の砂浜ビーチが消滅するだろうという驚くべき研究結果が発表されたとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
科学雑誌に掲載されたこの研究は、ハワイ大学マノア校の湾岸地理学グループの研究者が発表した。
2018年の研究では、海岸の防波堤の建設や地盤の強化などのために海岸沿いでの壁建設工事を進めていくと砂浜がなくなるだけでなく、逆に浸食を増大させ、それがさらなる保護壁の建設につながるとしていたが、今回の新しい研究では、海岸沿いの住宅オーナーが波から土地を守ろうと工事をし続けると、およそ10インチの海面の上昇が予想され、オアフ島のおよそ25マイルにわたるビーチが消滅すると具体的な数値を発表している。
研究によると、海岸沿いの土地を波の浸食から守るために地盤を固め壁を建設するとその部分は浸食から守られるが、そのことによって海岸線が狭まり、行き場を失った波が海面を押し上げてさらなる浸食を引き起こすという。
ハワイ州では現在建物から20フィート以内に波が浸食してきた場合、建物を守るための措置として海岸沿いに地盤強化のための壁を建設することを許可している。
研究者のフレッチャー氏によると、海岸沿いの土地は、波による浸食によってどれだけ高額な対応策が必要となるかも知らず、またどれだけストレスいっぱいの状況に陥るかということに何の理解もない買い手に売られている」と述べている。
共同研究者のタバレス氏も「すべてのビーチを守ることは現実的ではないが、何らかの対策が今必要だ」としている。
(日刊サン 2020.9.21)
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