ハナウマ湾のこれから
新型コロナウィルス感染で観光客が激減し、ロックダウンで市民も立ち入りができないハナウマ湾にとって、今年は回復に最適な年となった。
美しいハナウマ湾には大勢の人間が切れることなく押し寄せていたため、一部には環境破壊が起こっていたのだ。
この状況をみた自然保護団体からは、今後ハナウマ湾への訪問はオンライン予約を必要にして、湾の自然環境を守るために訪問者数を制限すべきだという声が上がっているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
「ハナウマベイを守る会」の代表であるスティーブン・デパオリ氏は、「オンライン予約システムは訪問人数を制限できるし、駐車する車の台数も同時に制限できる。湾の状況を伝える教育ビデオも同時に視聴させて、最後にはクイズ形式で解答させるようなシステムが有効だ」と述べている。
今までハナウマ湾を訪問するとまず教育ビデオを視聴することになっていたが、ウィズコロナの時代に、1,110人が満員の状態で扉を閉めた空間の中でビデオを視聴することについて考えなければならないことは事実だ。
過去3年にわたり、ハワイ大学マノア校の海洋生物学研究所ではホノルル市とともにハナウマ湾の環境に影響を与える要因について協議をしてきた。
「何がストレス要因なのかわかれば、それを最小限に食い止めることができるし、グローバルな気候変化にも耐えうるような強いエコシステムを確立することができる」
春以来ハナウマ湾は閉鎖されてきたが、それにより64%も海水の透明度が増してきているという。
ホノルル市の担当局長であるミシェル・ネコタ氏によると「市は現在、ハナウマ湾の様々な要因にどのような影響があるのかを含め、予約システムの運用について検討している。予約システムの運用と保全には予算が必要で、それは訪問者からの入場料ということになる。ハワイ居住者に対しては無料とする一方、州外からの訪問者やツアー会社からの料金を上げることを検討している」という。
ハナウマ湾は3月18日以降閉鎖したままだが、再開日については未定だ。
(日刊サン 2020.9.16)
シェアする