ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする
Vol. 29 今こそ、ハワイ経済を子供に教える時
コロナウィルスの影響で全ての機能が低下し、観光業がメインのハワイにとっては大打撃で不況が始まります。しかし、経済が打撃をうける出来事は、ある一定の周期で必ず起こることなので、長い人生の中で何度か、このようなピンチを切り抜けなければならないという事態は必ず訪れるのです。子ども達には、ハワイの成り立ちや経済を理解する上で、今はとても大切なことを教えるタイミングです。
その時にどのように過ごしたかによって、社会の問題への理解度が変わります。また問題を解決に向けてどのような知恵を出したかによって、将来、経済が不安定になった時もそれを生きる糧として、前向きに進んでいくメンタルの強さと力をつけられるようにして欲しいと親としては願うでしょう。
ハワイの経済について教える際は、ハワイでの産業と仕事の種類をしっかりと教えましょう。まず、①どこかへ出向いて時間労働でしか収入を得られない働き方、②どこでも場所を選ばすにできる仕事、③不況になるとリストラされやすい仕事、④不況でもリストラされにくい仕事、⑤不況の時に儲かる仕事、⑥不況の時に儲からなくなる仕事、これらについて家族の食卓の席での話題にしてみてください。
また、ハワイでは不動産が大きな経済を担う産業の一つですが、不動産はこれからどうなっていくのか? また、お金持ちといわれる人たちは、今何をしているのか? 金利が下がったので、ローンの借り換えをして返済分を減らしたり、競売物件が出るのを待っていたり、株価が下がっていくので、底値になるのをじっと待って、買うタイミングをみていたりと、一般の人とは違うことを考えていることも一緒に教えておきましょう。
その上で、我が家はどうするか? どのように我が家の経済は成り立っているのか? 家族としての役割や仕事を与える必要もあります。これから自宅でオンライン授業を受け、長い夏休みに突入する可能性があります。8月まで学校という組織に属さなくなった子ども達に、授業は通常通り実施されても、授業以外の楽しいことを何で見出させるか? ストレス解消は? 毎日のルーティーンは? 12歳以下は一人では家に置いておけないので、どちらかの親が自宅にいなければならないし、ホームスクールをしているお母さんたちが、凄いな〜と思わずにはいられなくなる、現実の世界が始まります。
しかしこの時間は、家族と過ごす良い時間にするべきで、楽しいことだけして暮らす未来のための準備なのかもしれないのです。
(日刊サン 2020.3.20)