ファースト・ハワイアン・バンク(FHB)は、ラナイ島にある唯一の支店を6月28日をもって閉鎖することを発表したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
FHBは、声明にて、「残念ながら、ラナイ支店を6月28日に閉鎖することを発表する。この決定は簡単なものではなかったが、銀行業界の状況の変化と人員配置の複雑さに起因している」と述べた。このラナイ支店は今夏で100周年を迎えるところだった。
FHBは、「このような変化がいかに混乱を招くかを理解しており、移行期間を通じてお客様をサポートすることを約束する」と述べており、利用可能なリモート・バンキング・オプションを用いて顧客を支援し、店舗でのサービスが必要な顧客には、他の金融機関との関係構築を支援するという。「ラナイ島で過ごせたことに感謝し、これからの変化に適応できるよう、お客様をサポートしていく」と付け加えた。
ラナイ島支店には4人のフルタイム従業員と1人のパートタイム従業員がおり、全員に島で在宅勤務できるポジションが提供される予定となっている。
また、FBHは1月、昨年8月8日に発生した山火事の復興作業が続く中、ラハイナ・キャナリー・モールに新しい支店を開設する計画を発表した。この新支店には、火災で消失した旧ラハイナ支店の従業員が配属される予定だという。FHBによると、現在建設計画に取り組んでおり、ラハイナ・キャナリーモールの新支店は今年後半にオープンする予定だという。
一方、ハワイ・ニュース・ナウは、ラナイ支店がなくなることへの地元住民の懸念を伝えている。マウイ郡議員でラナイ島在住のゲイブ・ジョンソン氏によると、ラナイ島の何百人もの住民の多くは高齢者であり、オンラインバンキングではなく実店舗が必要だという。また、ラナイ島の2大雇用主はフォーシーズンズ・ホテルであり、宿泊客は現金でチップを渡したがることや、島内には現金しか使えないレストランもあることを指摘している。さらに、FHBの撤退により、島内の貸金庫が激減することも心配されている。
FBHの撤退後、ラナイ島の銀行はバンク・オブ・ハワイ(BOH)とクレジット・ユニオンの2社のみとなる。BOHはラナイ島に留まることを約束し、貸金庫の必要性に対処するために最善を尽くすと語っている。
(日刊サン 2024.3.14)
シェアする