「クイーンズ・ヘルス・システム」は、ハワイ全島の患者をモニターし、州全体の病院の収容能力を監視するための新しい指令センターをマキキに開設した。450万ドル(約6億6000万円:148円/ドル換算)をかけたこの「アウカヒ・センター」は、治療の遅れを減らし、その過程でコストを削減し命を救うことで、ハワイの医療を変えることが期待されている。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、アウカヒ・センターの大型スクリーンには、オアフ島からハワイ島まで、クィーンズ・システム内の患者の状態がリアルタイムで表示される。スタッフは流れを監視し、システム全体でベッドを解放する。これは、新型コロナウイルスのパンデミックやマウイ島の山火事の際に見られたように、緊急の急増があったときに役立つという。
クイーンズ・ヘルス・システムのイノベーション・インスティテュート社長兼イノベーション戦略担当EVPのジェイソン・チャン氏は、「看護師の書類や医師の指示、検査、診察があると、それがこのシステムに入る。このシステムはすべての情報を集約し、表示する。ですから、私たちの病院では、すべての患者、すべての部屋、すべてのユニット、待機中の依頼、時には何時間も待っているものも見ることができ、患者がケアの次のステップに移れるように優先順位をつけることができる」と語った。
この仕組みはクイーンズだけには留まらず、ヘルスケア・アソシエーション・オブ・ハワイの会員施設のデータは、ハワイ・キャパシティ・システムにまとめられ、他の病院、郡や州の機関、さらには連邦政府も利用できる。
インフルエンザであれ、ある種の自然災害であれ、入院患者が急増した場合、FEMA(連邦緊急事態管理庁)は、この自動化されたシステムから入院患者数を把握し、どこにリソースを投入すればいいかを正確に知ることができる。また、救急隊員は、患者を搬送する際にどの施設が利用可能かを判断することができ、ハワイ緊急事態管理局(HIEMA)と州保健局(DOH)は、入院の急増を監視することができる。
医療業界のリーダーたちは、これをゲームチェンジャーだと呼んでいる。かつては電話をして何時間も待たされた移送が数分でできるようになり、コスト削減にもつながると見られている。州の医療費は毎年約1000万ドルにのぼるが、「医療における絶え間ないボトルネックは、しばしば最大のコスト要因のひとつであり、回復した患者やリハビリの準備ができた患者を転院させるのが遅れる原因となっている」とグリーン知事は語った。
さらに、将来的にこの技術をバーチャル看護や遠隔患者モニタリングに拡大する計画となっている。
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画像:facebook.com / Governor Josh Green
(日刊サン 2024.1.26)