新たに発表されたハワイ大学の研究によると、胎盤に含まれるマイクロプラスチックが増加していることがわかったとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ハワイ大学(UH)ジョン・A・バーンズ医学部(JABSOM)の研究者らは、2006年まで遡って胎盤を分析し、時間の経過とともに、より多くの調査サンプルがマイクロプラスチックの存在を示すことを発見した。
2006年には10サンプル中6サンプルにマイクロプラスチックが含まれていたが、2021年には10サンプルすべてに陽性反応が出たという。
研究者たちによれば、マイクロプラスチックは使い捨ての食品容器や海洋汚染、消費される魚介類に混入するなど、さまざまな原因から体内に取り込まれる可能性があるという。また、再利用可能な買い物袋が時間とともに分解され、不注意で吸い込んでしまうことも原因として挙げられている。
生物発生研究所のロドリゴ・ワイングリル博士は、「忘れてはならないのは、マイクロプラスチックは、空気中にも、海にも、淡水にも、土壌にも、あらゆるところに入り込んでいるということだ。果物や野菜はマイクロプラスチックを取り込み、私たちはそれを摂取することになる」と語っている。
UHの研究者たちは、現在、胎盤のサンプル数を増やし、とくに胎児と母親への健康影響を調べる2回目の研究を計画している。JABSOMの教授であるメン=ジーン・リー博士は、「胎盤に到達するプラスチックの大きさや、胎盤に取り込まれる数によって、それらが胎児に移動する可能性があるのではと懸念している」と述べた。また同博士は、この研究は、地域社会におけるマイクロプラスチックを長期的に調査する方法として役立つことを付け加えた。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.5)