3日(日)の朝、アラスカ航空がハワイアン航空を19億ドル(約2800億円:147.4円/ドル換算)で買収することを両社がニュースリリースにて発表したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
「アラスカ・エア・グループ」は、ハワイアン航空の親会社である「ハワイアン・ホールディングス」に1株18ドルを支払う。1日(金)時点でハワイアン航空の株価は4.86ドルだった。この買収には9億ドルのハワイアン航空の負債が含まれており、航空会社幹部はこの買収の総額は19億ドルになるとしている。
買収には規制当局の承認、ハワイアン・ホールディングスの株主による承認(2024年第1四半期に求められる見込み)、その他の完了条件が必要となっている。両社によると、買収は12カ月から18カ月以内に完了する予定だという。
統合後の組織は、アラスカ航空CEOのベン・ミニクッチ氏の指揮の下、シアトルを拠点とする。同氏は、「この合併は、お客様により良い旅行体験を提供し、西海岸とハワイの旅行者の選択肢を広げるという、弊社の集団的な旅におけるエキサイティングな次のステップである。私たちはハワイアン航空を長年にわたり深く尊敬しており、ハワイのトップ雇用主としての役割、そしてそのブランドと社員が世界中に温かいアロハ文化を伝えていることに敬意を表している」と述べた。
ハワイアン航空の社長兼CEOであるピーター・イングラム氏は、「1929年以来、ハワイアン航空はハワイの生活に欠かせない存在だった。今後はアラスカ航空とともに、お客様、従業員、そしてサービスを提供する地域社会により多くのものをお届けすることができるだろう。アラスカ航空は、長年ハワイに就航しており、補完的なネットワークとサービス文化を共有している。アラスカ航空との合併により、ハワイアン航空のブランドを維持しつつ、さらなる規模拡大と人員を得ることで、ハワイアン航空の顧客体験とテクノロジーへの投資を加速させることができる」と付け加えた。
この合併により、ハワイ諸島から直行または1カ所経由で行ける北米中の目的地が3倍になり、サービスと利便性が拡大すると見られている。
なお、今回の買収によって労働組合の雇用が失われることはなく、1400人の非組合員の大部分は、拡張されたサービスを運営するために維持される。イングラム氏によると、ハワイアン航空側の事業運営に関しては何も変わらず、また、株主審査と規制プロセスが終了するまで、両社は競合他社であり続けるが、その期間中にハワイアン航空の活動を縮小する計画はないとしている。
買収後には会社は統合されるものの、ブランドは別々のまま存続される見込みだ。ミニクッチ氏は、「これは大きな、ユニークな決断だ。ハワイアンは94年の歴史があり、ハワイで賞賛され、尊敬されている。従業員、顧客、地域社会との統合を成功させるためには、デュアルブランド戦略でなければならない」と語った。
また、既存のマイレージは合併後も有効だが、2つの航空会社の共有のロイヤリティ・プログラムに統合される予定となっている。
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画像:Shutterstock.com / dejjf82
(日刊サン 2023.12.4)