ラハイナでの火災を受け、屋外警報サイレンのプロトコルが見直された結果、ハワイ緊急事態管理庁(HI-EMA)は、火災がサイレン使用を促す危険のひとつであることを再確認したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
HI-EMAは27日(水)、緊急事態管理パートナーとの話し合いの要約を発表し、州全体のサイレンネットワークは、鳴らされた場合、「より多くの情報を求める」のを促すことを意味する全危険対応システムであることを明らかにした。
97人もの死者を出し、2000棟以上の建造物を破壊した8月8日(火)のラハイナの大火災では、住民への警告にサイレンが使われなかったことから、このシステムの意味と使用が疑問視されるようになっていた。
この災害は、当時のマウイ緊急事態管理庁長官ハーマン・アンダヤ氏の辞任につながり、ジョシュ・グリーン州知事が州司法長官事務所による災害対応の正式な見直しを命じた理由のひとつとなった。
火災の後、「一般の人々に分かりやすく説明するため」に、HI-EMAは州内の緊急管理パートナーのリーダーと協議し、主要災害の概要とサイレン使用の簡単な手引きを作成した。そこには、警報システムを作動させる第一および第二の責任はどの組織にあるのか、またその決定に際して考慮すべき要素などが網羅されている。
HI-EMAのジェームス・バロス長官は、ニュースリリースで「これらの実施要項および手順は変わっていない。サイレンはすべての災害警報システムであり、州や郡の緊急計画では、すべての警報・警告ツールの使用方法を取り上げている」と述べている。同氏はまた、緊急事態が発生した時の判断は非常に短時間で行わなければならないと付け加えた。
HI-EMAの報告によると、火災の場合、ラジオやテレビ、携帯電話で警報を発信する警報システムが優先される。しかし、サイレンを作動させる際には、避難や屋内退避などの即時行動が一般市民に求められているかどうか、あるいは一般市民への警告が現場のファーストレスポンダーの能力を超えていないかどうかを考慮しなければならない。さらに、使用可能なサイレンの数や、影響までの予想時間も考慮する必要がある。
同報告では、市郡の消防署が情報提供機関であり、市郡長が権限を持ち、市郡の緊急オペレーションセンターがサイレン作動の第一責任者、HI-EMAが第二責任者と定義されている。
新たに発表された要約では、遠地および局地的な津波、ハリケーン、ダム決壊と鉄砲水、火山噴火、危険物への暴露など、他の災害も取り上げられている。バロス長官は、「今のところ、ハワイの住民にサイレンが『さらなる情報を求めるように』ということを意味する警報システムであることを知ってもらうことが重要だ」と述べている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.9.29)