キラウエア火山の噴火により、ハワイ島の西側では再び火山性ガスによる霧(VOG)が発生しているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
州保健局(DOT)は11日(月)、オーシャンビューとパハラの大気質モニタリングステーションで大気質レベルが上昇したと報告している。
ハワイ火山観測所(HVO)によると、10日(日)の午後に噴火が始まって以来、溶岩噴出の高さは減少しているが、11日(月)朝の時点ではまだ50フィート(約15メートル)ほどあるという。活発な溶岩噴出は火口底の東側部分とキラウエア山頂カルデラ内の下降したブロックに1マイル(約1.6キロ)近く広がっている。
この噴火により、大気中の火山性微粒子と二酸化硫黄のレベルは、ハワイ島の様々な地域で増加・変動が見られることが予想され、大気の質が悪くなる可能性があると当局は述べている。これらの火山ガスは、特に心臓や呼吸器に問題のある人、乳幼児、妊婦には危険だとされている。
一方、ハワイ火山国立公園は、高濃度の二酸化硫黄と微粒子のため、現在ケアナカコイ展望エリアを閉鎖している。HVOでは二酸化硫黄の排出量を最大10万トンと測定している。
公園関係者によると、溶岩湖と噴出を最もよく見ることができるのは、ウエカフナやキラウエア展望台、クレーター・リム・トレイル沿いのエリアだが、状況はいつでも変わる可能性があるという。公園のニュースリリースでは、「標識のあるトレイルや見晴らしの良い場所を歩くこと。立ち入り禁止区域には入らないこと。崖の縁や土の割れ目は不安定なので避けること。スピードを落とし、安全運転を心がけること。キラウエア展望台のような人気のあるスポットでは、駐車場待ちが長くなることを予想しておくこと」と書かれている。
DOTは、大気の質を鑑み、屋外での激しい呼吸を引き起こす活動を減らすよう推奨している。同局はニュースリリースで、「屋外活動を制限することは、子どもや高齢者、喘息、気管支炎、肺気腫、慢性肺疾患、心臓疾患などの呼吸器系の持病を持つ人など、敏感なグループにとって特に重要である」と述べている。
その他、推奨されている予防策は以下の通り。
●喘息やその他の慢性呼吸器疾患のある人は、常に薬を用意しておくこと。毎日処方される薬はスケジュール通りに服用すること。
●二酸化硫黄やVOGが多い状況では呼吸器系の症状が急速に悪化する可能性があるため、症状が現れた場合は、速やかに医療機関に連絡すること。
●屋内にとどまり、窓やドアを閉めること。エアコンを使用している場合は、再循環に設定すること。影響を受けた地域から移動する必要がある場合は、車のエアコンをオンにし、再循環に設定すること。
●マスク(サージカルマスク、布製マスク、KF94、KN95、N95)は、二酸化硫黄や硫黄雲を防ぐことはできないが、屋外の環境では、降灰や”ペレの毛の髪”(糸状の溶岩性飛来物)に関連する有害な微粒子の吸入を減らすのに効果的である。
●脱水症状を避けるため、水分を十分にとること。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.9.12)