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【ハワイニュース】「ラハイナの火災被害は送電線によるものではない」HECOが発表

「ハワイアン・エレクトリック」社(HECO)は、同社の送電線が8日(火)朝にラハイナで発生した火災を引き起こしたことは認めたが、街に壊滅的な被害を及ぼしたのは、同社の設備が「通電停止」された数時間後の同日午後に発生した別の火災であると主張していると、ホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。

HECOは、27日(日)夜に発表したニュースリリースにて、8日(火)の出来事について初めて詳細な説明を行なったが、同時にマウイ郡が24日(木)に提出した訴訟で、この100年以上で米国で最も致命的な大規模火災を引き起こしたのは州の大手電気事業者である同社とする非難に反論した。

HECOの社長兼CEOであるシェリー・キムラ氏はニュースリリースの中で、マウイ郡が独自の調査を終える前に裁判を急いだことに驚きと失望を表明し、「我々は、この訴状は事実的にも法的にも無責任だと捉えている。残念なことに、郡が訴訟を起こしたことで、あの日起きたことに対する責任を示す以外に、法制度上選択の余地がないという状態だ」と述べた。

同社の説明によると 88日の出来事について下記の重要な事実が明らかになっている。

  • 午前630分に発生した火災(モーニング・ファイア)は、強風で倒れた送電線が原因と見られている。
  • マウイ郡消防署はこの火災に駆けつけ、「100%鎮火した」と報告し、現場を離れ、後に「鎮火完了」と宣言した。
  • 午後3時頃、西マウイにあるHECOのすべての送電線が6時間以上にわたって通電を停止していた時間帯に、同じ地域で2件目の火災(アフタヌーン・ファイア)が発生した。
  • アフタヌーン・ファイアの原因は特定されていない。

HECOは、大火災の出火原因を調査しているアルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局に、アフタヌーン・ファイア発生時にHECOのラハイナへの送電線が通電されていなかったことを「決定的に立証する」記録の入手が可能であることを伝えたという。

マウイ郡は、HECOが、最大風速60マイル(時速約96キロ)の突風が吹くという国立気象庁の予報と、乾燥した草木の状態による火災の危険性が高いという「レッドフラッグ」警告に対応して送電網への電力をカットしなかったという過失があったこと、また、落下した送電線が火災を引き起こしたことも主張している。さらに訴えでは、マウイ島で「マウイ・エレクトリック」社として操業している電力会社が、設備の保守を十分に行なわなかったとも主張している。

マウイ郡の提訴に加え、少なくとも10件の提訴があり、そのほとんどが火災による死亡や財産を失った人々の家族の代理人によるものである。また先週、上場親会社である「ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズ」社の投資家を代表する集団訴訟も起こっている。これらにより、HECOの株価は7日(月)から74%も急落した。

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写真:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2023.8.28)

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