パールハーバー周辺の水域で数種類の外来種サンゴが発見された。これらは、一般家庭の水槽から流入した可能性が高いとして、海軍当局はサンゴを海に捨てないよう呼びかけているとKHON2が伝えている。
海軍によると、パールハーバーで初めて外来種のサンゴが発見されたのは2020年にさかのぼる。外来種サンゴは10エーカーほどに広がっており、発見当時はあまり知られていなかったが、2023年のベネズエラの研究で、在来種の生息域を容易に上回る可能性があることが明らかになった。
パール・ハーバー・ヒッカム統合基地(JBPHH)司令官のマーク・ソヘイニー少佐は、外来種サンゴの除去のために水中に入ったところ、時を経てずいぶん大きく成長しているのを発見したという。「現在はまだ調査中だが、多少の誤差はあるとして、100エーカーほどになっているようだ」
また、2つ目の外来種サンゴも発見された。1つ目の種ほど繁殖力は強くないものの、複数の外来種が発見されたことは、当局が家庭の水槽から流入したと考える理由のひとつとなっている。とくに2つ目の種が発見された水域は、桟橋があり、アクセスの良い場所となっている。
なお、ハワイでは個人がサンゴを所有することは違法とされており、ハワイ原産種であろうと外来種であろうと、一般家庭の水槽で飼育することは禁止されている。
ワイキキ水族館では、匿名でサンゴの譲渡を受け入れている。館長のアンドリュー・ロシター博士は、「警察がやってくることはないので安心してほしい。当館は外来種のサンゴの飼育が許可されている島で唯一の施設であり、完全に匿名でサンゴを引き渡すことができる。引き取ったサンゴは大切に飼育される」と語る。
外来種サンゴの投棄は、在来種のサンゴだけでなく、海の生態系に大きく影響する。ロシター氏は、「魚はサンゴと共存進化しており、非常に特別な生態系を形成している。外来種の流入のような撹乱にはとても敏感だ」と言い、サンゴを海に戻すことは親切心から来る行為かもしれないが、絶対にしないようにと訴えている。
海軍は現在、発見された外来種を駆除するために数百万ドルの契約を結んでおり、作業には1年以上かかる可能性があるとしている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.8.4)