カウアイ島の電力会社は、28日(水)、島内最大の発電所用に地元で生産されたバイオディーゼル燃料の初出荷を受けたとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ハワイ州では2045年までに州全体で100%再生可能エネルギーにするという目標を掲げているが、地元産の安価なバイオディーゼルの供給は、この目標達成への大きな一歩となる。しかし、隣島の中には大きな課題を抱えているところもある。
カウアイ島電力協同組合(Kauai Island Utility Cooperative:KIUC)は、パシフィック・バイオディーゼルから、カパイア発電所にバイオ燃料を引き渡した。KIUC最大の発電所は27.5メガワットを発電しており、バイオ燃料は既存の発電機で使用可能となっている。
また、KIUCの再生可能エネルギー利用を促進することにも役立っており、その平均利用率はすでに60%に達している。KIUCのベス・アマロ氏は、「現在、私たちの発電の約40%は太陽光発電によるもので、そのうちの約3分の2がユーティリティ(大規模な太陽光発電所)で、3分の1が屋上だ」と述べている。
太陽エネルギーは、化石燃料を全く使用しない。カウアイ島では、現在、晴れた日には100%再生可能エネルギーで送電網が運用されている。
KIUCは、わずか10年で再生可能エネルギー100%の目標を達成したいと考えており、カウアイ島は、すでに州全体をリードしている。州エネルギー局の最高責任者であるマーク・グリック氏は、「州全体の平均は33%で、非常に高い割合となっている。最終目標まであと3分の1まで来ている」と述べている。
グリック氏によると、カウアイ島が化石燃料以外のエネルギー源の利用で州をリードしているのに対し、ハワイ島はかなり遅れを取っており、エネルギーの半分近くが地熱などのエネルギー源によるものだという。しかし、もうひとつの供給源である木材を燃やすホヌア・オラ・バイオマスプラントは、公益事業委員会と州最高裁判所によって阻止された。
マウイ島は風力発電を含めて36%だが、この先には大きな課題がある。グリック氏は、「一部の老朽化した発電所に対処する必要があるため、ハワイアン・エレクトリック社と緊密に協力し、2027年に発電所が廃止される際の電力不足を埋めるために何ができるか検討するつもりだ」と語っている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.30)