キラウエア火山の噴火による溶岩の高さが30フィート(約9メートル)にも達する中、当局は、火山を見ようとハワイ島に押し寄せる観光客に節度ある行動を促しているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
米国地質調査所(USGS)のウェブサイトによると、溶岩噴泉の高さは11日(日)の時点で、最新の噴火が7日(水)に始まったときに比べ低下しているという。それでもなお、溶岩は火山のハレマウマウ火口の西側の大部分を覆い、北東の角の噴出口から供給される溶岩湖を特徴とする中央の隆起したエリアの周りに広い馬蹄形を形成していると述べている。
ハワイで2番目に大きな火山であるキラウエアの今回の噴火は、3カ月の休止期間を経て始まった。USGSハワイ火山観測所(HVO)は8日(木)、溶岩の速度が低下し、インフラを脅かすものがないため、キラウエアの警戒レベルを警告から監視に引き下げた。噴火活動は、ハワイ火山国立公園の閉鎖区域に限定されている。
ハワイ州観光局は、火山を訪れる旅行者に対し、「火山観光を計画する際には、多くのハワイ住民にとって火山の持つ文化的・精神的な意義に敬意を表し、配慮を忘れないように」と呼びかけている。
ハワイ郡の広報担当でネイティブ・ハワイアンのサイラス・ジョナセン氏は、カメラを構えて写真を撮るのではなく、立ち止まってじっくりと観察することを勧め、「お金では買えないものだ。その瞬間、あなたはハワイと一体になる」と述べている。また、この地域の神聖さを認識した上で、石を持ち帰らないこと、騒がないこと、植物に触れないことを呼びかけている。「公園内の植物の多くは自生している。残す足跡ができるだけ少なくなるよう注意してほしい」
キラウエア噴火の噂は瞬く間に広まり、公園には多くの人が訪れている。公園の広報担当者ジェシカ・フェラケーン氏によると、噴火のない通常の日の来場者数の3倍以上にものぼるという。公園関係者は、午前9時前や午後9時以降の混雑しない時間帯に訪れることを推奨している。
専門家らは、噴火は今後も続き、公園内のハレマウマウ火口にとどまるだろうと予想している。観測所によると、7日(水)の早朝、溶岩噴泉は200フィート(約61メートル)の高さまで上がり、午後には13〜30フィート(約4〜9メートル)まで減少したという。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.12)