米国地質調査所(USGS)は、キラウエア火山がハレマウマウ火口で噴火を開始したと発表。溶岩流を見ようと多くの人々がすでにハワイ島に足を運んでいるとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
USGSのハワイ火山観測所(HVO)によると、7日(水)午前4時44分にキラウエア山頂のウェブカメラ画像で輝きを検出。この光は、「ハワイ火山国立公園内にあるキラウエア山頂カルデラのハレマウマウクレーター内で噴火が始まったことを示す」という。
HVOは声明で、噴火の初期段階はダイナミックであるとし、「ウェブカメラの画像は、ハレマウマウ火口の底部にある亀裂が火口底表面に溶岩流を発生させていることを示している。活動はハレマウマウに限定されており、危険性については噴火が進むにつれて再評価されるだろう」と述べている。
また、7日(水)午後遅くには火口底に「複数の小さな噴出」があったという。噴出の高さは噴火当初より縮小しているが、報告時点ではまだ約13〜30フィート(約4〜9メートル)の高さであった。また、溶岩流によって火口底の溶岩は約30フィート(約9メートル)上昇した。
HVOは、キラウエアの警戒レベルを「注意」から「警告」に、航空カラーコードを「オレンジ」から「赤」に引き上げた。
公園広報担当のジェシカ・フェラケーン氏は、「7日朝の溶岩はすべて山頂のカルデラ内にとどまっており、まだ空き容量があるため、溶岩があふれて家屋やインフラを脅かすことはないだろう」と述べている。
公園には、すでに溶岩流を見ようとする人々が押し寄せており、駐車場は満車で、展望台もかなり混雑しているという。なお、公園は24時間オープンしており、午後9時から日の出までの間に訪れると、混雑を回避することができる。
フェラケーン氏は、「超壮大な噴火だ。クレーターの真ん中に371エーカーの溶岩湖があり、クレーター・リム・トレイル沿いの多くのスポットから見ることができる。間違いなく、今後数日間、そして週末にかけて見物客は増え、何千人もが訪れるだろう」と述べている。
ハワイ郡市民防衛局の担当官は、地元コミュニティに対し、「噴火地点の近くでは火山ガスや細かい灰のレベルが高くなることが予想される」とし、必要な予防措置を取るよう警告を発している。また、国立気象庁は、特別気象声明を出し、プナ地区、カウ地区、サウスコナ地区のコミュニティは影響を受ける可能性があり、目や呼吸器を刺激する灰に過度にさらされないよう呼びかけている。特に呼吸器系に敏感な人は注意が必要だという。
フェラケーン氏は、噴火によるガスを避けるなど、安全上の理由から、立ち入り禁止区域には立ち入らず、標識のあるトレイルに留まるよう、訪問者に注意を促している。
国立公園局(NPS)は、トレイルや見晴らしの良い場所に留まり、崖際や地割れを避けるなど、訪問者が安全に見学するための注意事項を示している。火山ガスは有害だが、特に心臓や呼吸器に問題のある人、乳幼児、妊婦には危険とされている。標高約4000フィート(約1219メートル)のキラウエア山頂は冷えることがあるので、雨具、長ズボン、つま先が閉じた靴の着用が望ましい。
NPSはまた、キラウエア展望台やデバステーション・トレイルなどの人気のスポットの駐車場では長い待ち時間が予想されるため、ゆっくり運転するよう注意を呼びかけている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.6.8)