ホノルル救急医療サービス(EMS)は、1日に10件から15件の自殺未遂に対応しており、保健当局はこの驚くべき増加傾向を注視しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
自殺予防活動を行う団体であるプリベント・スーサイド・ハワイ・タスク・フォース(PSHTF)によると、ハワイの若者は自殺を試みる可能性が最も高く、とくに10歳から24歳までがその傾向が強いという。
この3カ月間、ホノルルEMSに寄せられる自傷行為や自殺未遂の通報が劇的に増えているという。ホノルルEMSのジム・アイルランド局長は、「パンデミック以前は、自傷行為や意図的な過剰摂取の通報は1日に2、3件だったが、今では1日10件、時には1日15件になることもある」と語っている。「薬物の過剰摂取だけでなく、他の方法で自らを傷つけようとする人もいる。銃器やナイフの使用などによる外傷も含まれる。これらのケースが増加し、懸念が広がっている」。
PSHTFリーダーシップ委員会のジーネル・スギモト・マツダ氏は、ハワイの若者が自殺行為に走る理由として、人とのつながりの欠如に起因することが多いと指摘。「大切な人、家庭での母や父、あるいはその両方が欠けているのかもしれない」「彼らが断絶していたり、不健康な関係にある場合、それが本当に彼らの危険因子となる」と語っている。
保健局のデータによると、ハワイの15歳から44歳までの死因の第1位は、過去4年間で自殺だった。同期間中、14歳以下の子供たち10人が自ら命を絶っている。
マツダ氏は、メンタルヘルスの治療を受けることに関し、負い目を感じる傾向があることは大きな問題だと指摘している。「「私たち大人が尻込みすればするほど、その汚名に拍車をかけてしまうことになる」。
スーサイド・アンド・クライシス・ライフライン(988)では、24時間体制で訓練を受けた危機管理カウンセラーが待機している。自分自身または家族や知人が危機的状況にあるなら、988まで電話またはテキストメッセージで連絡を。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.23)