ハワイ州観光局(HTA)は、州政府から今後2年間の予算が与えられないにもかかわらず、7000万ドル近いビジターマーケティングとマネジメントの契約を進めようとしているとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
混乱した立法会期末、ハワイ・コンベンション・センターの屋根修理にかかる6400万ドルの予算は承認されたが、7月から始まる来年度のHTAの資金はゼロになった。
HTAの予算危機はこれが初めてではない。しかし、9日(火)にビジター・アロハ・ソサエティ・オブ・ハワイ(VASH)会長のジェシカ・リッチ氏が、2年前に削減された8万5000ドルの回復を訴えた際、パンデミック時に削減された予算がまだ残っていることが明らかになった。
HTAの予算と継続的な調達について話し合う特別会合で、リッチ氏はHTA理事会に対し、「危機に瀕した訪問者を助けている私たちVASHは、危機的状況にある。予算が削減されたのだ」と語った。
VASHは、ハワイを訪問中の旅行者が、犯罪や病気、事故といった危機に見舞われた際にサポートを行っているが、加えてHTAの支援にも携わっていることを指摘。
例えば、12月に起きたバリケード事件で90人がホテルから避難した際にも支援を行った。
しかし、次期予算がゼロということもあり、HTA会長のジョージ・カム氏は何も約束することができず、「(VASHを)支援はしたいが、限られた予算でやっていかなければならない」と述べるに留まった。
知事や立法府の指導者たちから予算が出るという安心感から、理事会は1年半の延期を経て、現在進行中の3つの入札を進めることを決定した。
最大のものは、2025年12月までのアメリカ本土へのマーケティングにかかる3800万ドルである。
もうひとつは「デスティネーション・スチュワードシップ」と呼ばれるもので、2026年5月にかけて2800万ドルが投入される。
そして3つ目の契約は、カナダへのマーケティングにかかる240万ドルだ。
理事会は、3つすべてのRFP(提案依頼書)の選出発表を22日(月)に予定している。カム氏は、「私たちは、前進していることに本当に感謝している。
私たちが設定した道筋に、誰もが満足することになるだろう」と述べた。
すでに選考が始まっている中、さらなる遅延を避けるため、議員と知事は2億ドルの新しい裁量資金を活用することで合意した。というのも、HTAには、契約の初期費用を賄うための資金が蓄えられているからだ。カム氏は、「まだ流動的だが、私たちの理解では、(契約)進行の資金は確保されている」と述べている。
しかし、HTAにとっての懸念は、議員たちがHTAを完全に廃止する寸前まで行ったという事実だ。そのため、次の会期までの約7カ月間で、同局の存続を正当化しなければならない。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.10)