最新の青少年リスク行動調査(パンデミック中に収集されたデータを反映した最初の調査)によると、10代の電子タバコ率は2019年に比べて2021年には減少したことがわかったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
調査対象となった中高生のうち、「電子タバコを使用している」と回答した人は14.8%に減少し、2019年に使用していると答えた30.6%の約半分となった。「電子タバコを試したことがある」は2019年の48.3%から32.4%に減少した。
州保健局(DOH)の慢性疾患予防健康増進担当管理者であるロラ・アービン氏によると、この時期、生徒の生活はパンデミックの影響を大きく受けており、家庭環境や学習環境も大きく変化していたという。また、この調査は通常春に実施されるが、パンデミックの影響により2021年の秋学期に実施された。傾向を把握するには、2023年春のデータが必要となるが、それでも、青少年がタバコ製品へのアクセスを制限された場合に潜在的に何が起こるのか、ヒントを与えてくれる報告書になっているという。
アービン氏は、「以前のアンケートでは、学生らは一般的社会との交流を持っておらず、タバコ製品の入手は学生間で行っていたことが示されていた。このことは、これらの製品を入手・利用できないようにする政策が必要であることを証明している」と述べている。
調査によると、10代の電子タバコの入手先は、58%が「交友関係から」、7.6%が「小売店から」、2%が「インターネットから」となっている。なおハワイ州では、21歳未満による電子タバコの購入は違法となっている。
DOHは、2021年には電子タバコや喫煙に関連した肺損傷症例も発生しており、これは電子タバコの減少に関連していると指摘している。
この調査では、意図しないけがや暴力、タバコやアルコール、その他の薬物の使用、意図しない妊娠の原因となる性行為、メンタルヘルスと自殺、身体活動など、10代の健康に影響を与えるその他の問題についても調査された。
2021年の調査には、1万1000人以上のハワイの学生が参加し、匿名かつ任意で回答した。アンケートひとつは6〜8年生の中学生(10代前半)に、別のアンケートは9〜12年生の高校生(10代後半)に実施された。
今年の調査では、学校での成績、自己申告による体重、過去30日間の大麻の摂取状況など、17の指標が新たに追加された。
この調査は、1991年からデータの傾向を追跡しており、DOH、州教育局(DOE)、ハワイ大学カリキュラム研究開発グループが、米国疾病管理予防センター(CDC)と共同で行っている。
青少年リスク行動調査2021年結果(※)(2021年、2019年)
【電子タバコ】
- 電子タバコを試したことがある(10代後半):32.4%、48.3%
- 電子タバコを使用している(10代後半):14.8%、30.6%
- 電子タバコを試したことがある(10代前半):12.8%、30.6%
- 電子タバコを使用している(10代前半):6.7%、17.7%
- 電子タバコを交友関係から入手:57.8%、該当なし
【通常のタバコ】
- タバコを試したことがある:13.3%、17.8%
- タバコを使用している:3.0%、5.3%
- メンソールタバコを使用している:15.8%、該当なし
【アルコールと薬物】
- アルコールを使用している:16.6%、20.4%
- アルコールを常飲している:8.3%、10.9%
- マリファナを使用している:12.0%、17.2%
- マリファナを使用している(10代前半):2.8%、7.2%
【メンタルヘルス】
- 最近抑うつ状態にある:34.8%、34.7%
- ネットいじめを受けている(10代前半):27.7%、22.7%
【健康と運動】
- 日常的に運動をしている:42.3%、33.3%
- 有酸素運動のガイドラインを満たしている:23.1%、17.0%
※10代後半は9〜12年生、10代前半は6〜8年生
出典:2021年ハワイ州青少年リスク行動学(2021 Hawaii Youth Risk Behaviors)
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.24)