高級不動産投資への課税を倍増させる案が州議会で難航しており、住宅・ホームレス支援団体が公聴会を開くために奔走しているとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
上院法案(SB)362は、ホームレスや手ごろな価格の住宅プログラムに定期的な収入をもたらすために、高級住宅の販売にかかる税金を2倍にするというもの。この法案の作成者である上院住宅委員会のスタンリー・チャン委員長は、「海外の裕福な投資家が、実際に住むつもりのない高級物件を購入する場合、ホームレス問題といった州の最も緊急なニーズに対して、公平な負担をすることに、我々の誰もが同意するだろう」と語り、この法案には多くの支持があると述べた。
一方、開発業者や不動産業者からは反発の声が上がった。不動産業者協会の証言によると、税金を2倍にすると、200万ドルの取引にかかる譲渡税が2万4000ドルに、1000万ドルの物件では25万ドルにまで押し上げられるという。同協会のアドボカシー担当ディレクターであるリンジー・ガルシア氏は、「最終的には、住宅供給の問題があり、譲渡税は住宅コストとハワイでのビジネスコストを増加させる」と述べている。
この法案の支持者たちは、カイル・ヤマシタ下院財務委員長が、6日(木)までに行わなければならない委員会での公聴会の予定を拒否することによって、説明なしに法案を却下してしまうのではないかと懸念している。ハワイ・アップルシード予算政策センターのケンナ・ジプソン氏は、「この法案は、ホームレス支援や手頃な価格の住宅、土地保全のための資金を恒久的に増やすことができる唯一の方法だ」と語る。住宅危機に対する長期的なアプローチが必要であり、そのためには、1年限りの資金提供だけでなく、継続的な収入増が必要だと主張している。
一方、鉄道近辺の州の所有地に高密度の賃貸アパートを建設するという構想など、他の住宅構想も動き出している。チャン委員長は「今年中に、この構想に関する大きな動きがあるのではないかと楽観視している」と語った。
下院住宅委員長のトロイ・ハシモト氏は、手頃な価格の住宅に多額の資金が投入されている一方で、何千もの住宅建設を望む人々に対し、実行間近のプロジェクトは十分ではないと述べた。「昨年度、私たちは住宅に10億ドルもの予算を組んだが、まだ消化しきれていない。でも、一歩一歩進んでいくだろう」と語った。
すべての住宅がどのようなものになるのか、正確に予測することは難しいが、まもなく始まる上下両院の交渉で決定されることになるだろう。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.5)