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【ハワイニュース】ブランジャルディ市長がホームレス救済プランを提案

リック・ブランジャルディ・ホノルル市長は、オアフ島に住む約4000人のホームレスに対応するための計画を発表したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。

ホームレス問題を解決するための計画書は32ページにおよび、ホームレス危機対応システムの強化、ヘルスケアの統合、ホームレスから抜け出すためのキャリアパスの提供、手頃な価格の住宅の提供、ホームレス問題を予防するためのプログラムの運営という、5つの主要な戦略について説明されている。この計画書は、ホノルル市コミュニティサービス局、救急サービス局、経済活性化事務所、ホノルル警察と共同で作成され、2021年からスタートしたブランジャルディ市長の任期前に作成された内容も含まれている。

市長は戦略の中で、「危機救済の対応と参画(Crisis Outreach Response and Engagement:CORE)」プログラムの利用を継続するとしている。同プログラムでは、ホノルルのダウンタウン、チャイナタウン、ワイキキで非暴力的なホームレス関連の911コールに週7日対応。救急医療技師やソーシャルワーカーなどが協力し、ホームレスの人々に緊急の医療ニーズやシェルター、その他の援助を提供している。2021年のスタート時から昨年12月までの間で、同プログラムは234人のホームレスと接触し、988回の定期訪問にて健康状態のチェックを行っている。

計画書では、「COREプログラムは、スタッフの増加と資金調達が可能になれば、オアフ島の他のコミュニティにも拡大し、ホームレス状態にある人々が支援を受け、リソースにつながるための手段となり得る」と明記されている。

ホームレスから抜け出すためのキャリアパスの構築については、「チーム・ワークハワイ(TEAM WorkHawaii)が謳われている。このプロジェクトは、失業者、未就労者、ホームレスやホームレスになる恐れのある人に短期間の家賃補助を行い、就職を支援するもので、毎年約100人の個人や家族に住宅支援を行い、希望に応じて雇用やトレーニングのプログラムを提供している。

さらに市長のプランでは、市の各部局を利用して、手頃な価格の住宅への取り組み拡大を継続するとしている。その中でも、地域支援課と地域基盤開発課という2つの課は、「手頃な価格の住宅の供給を維持・拡大し、低・中所得世帯の居住を維持する」と明記されている。特に地域支援課は、低所得者層への賃貸支援プログラムを管理し、これらの世帯の住宅取得も支援する。また、連邦政府のバウチャー制度(住宅選択バウチャーやセクション8プログラムなど)の家賃補助も行っている。

また、ホームレス化を防ぐ方法として、市の家賃・光熱費補助制度の利用も挙げられている。カトリック・チャリティーズ・ハワイとハワイ先住民振興評議会が運営するプログラムは、連邦政府のCOVID-19関連資金を使用し、2億ドル以上の援助を分配し、1月時点で1万5000以上の家族を支援してきた。対象世帯は、2020年3月のパンデミック以降に経験した経済的困難と、各地域の収入の中央値の80%以下という所得制限に基づいてプログラムの資格を得ている。

支援対象世帯のうち、年間所得が6万4000ドル以下は86%にのぼり、同プログラムを通じて、家賃や電気代などの光熱費の支払いを最大18カ月分受けることが可能となった。なお、平均支援額は1世帯あたり約8000ドル。

なお、今回の市長によるホームレス対策への計画書の発表は、ホノルル市議会のトミー・ウォーターズ議長が住宅計画やホームレス対策がないことをめぐって市長政権を声高に批判したことを受けたもの。計画書について、ウォーターズ議長は、「これが複雑な問題であることに同意し、多方面からアプローチする必要性を高く評価している」と述べた。

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写真:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2023.2.27)

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