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My Destination

【My Destination】第3章 「再挑戦」自民党政経塾

(前回まで)「世界をまたにかけて働く」ことを幼少からの夢としていた私は、意と反して損害保険会社に入社。順風満帆な生活も束の間、会社が経営破たん。その後の人生を切り開くため渡米しMBAを取得。メガバンク勤務を経て、新たなキャリア形成のため、渋谷にあるベンチャー企業の門を叩く。子会社での副社長経験を挟み、経営企画業務全体を取り仕切る中、遂に悲願の株式上場承認が降りたのだが、様々なリスクを鑑み上場を中止する決断をした。

 賛否両論あるかも知れないが、自分が経験してきたことには素直に向き合いたいので、今回のテーマに触れてみたいと思う。

 2011年末の株式上場断念により、経営企画室長としての私は、株式上場を行わないパターンで、会社の成長戦略を再検討する必要があった。民主党政権末期の当時は日本経済の今後に対して非常に悲観的であり、故になかなか良いシナリオが描けない。そんな時、自民党政経塾第7期生の募集広告が目に留まった。自民党員でもないし、政治活動に関心もない。ただ、暗い将来しか見えない中で新しいものを見てみたいという気持ちはあり、受験することにした。

 入塾試験は小論文であった。MBA留学中に9.11のテロ事件が発生、時の小泉政権は米国への支持表明を世界一早く行った。これが、米国で不安に駆られていた私にとっていかに心強く、また日本人であることに誇りを思えたかという当時の気持ちをありのまま綴った。

 そして、私は合格した。

 政経塾は20125月に開校、永田町にある自民党本部9階の大会議室にて毎月講義が行われた。その内容は、我が国の政治の仕組み、リーダーシップ論、志の持ち方、政治家としての心得など多岐に渡るものであった。また、現役の政治家との交流もあり、その中で話される裏話なども普段は耳にしない新鮮なものであった。

 一番印象的に残っているのは、在塾中に第二期安倍政権が誕生したことであった。選挙前から、安倍総裁のリーダーシップは前回退陣した際とは全く違うという自信が自民党内にみなぎっていた。加えて、多くの国民が新政権の誕生に期待を寄せた。そしてその期待はアベノミクスなどの形で実現されていったことは記憶に新しい。

 政経塾では多くを学んだが、政治家を目指すというモチベーションまでは湧かなかった。逆にビジネスの世界で生きていくことを強く再確認できた。政経塾は20133月で卒業するのだが、その時には既に新しい未来への扉が開かれようとしていた。その話はまた近々お話しすることとしたい。

(次回につづく)

No. 226   第3章 「再挑戦」

Masa Kokubo

1995年中央大学法学部卒。損害保険会社勤務後、アイオワ州の大学院にてMBAを取得。その後、メガバンク、IT企業を経て、現在はグローバル企業にて世界を相手に奮戦中。趣味はサーフィンとラクロス。米国生活は通算7年。

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