クリスマスのプレゼントとして、携帯電話、パソコンなどの小型電子機器が人気だが、ホノルル消防署では、これらの商品の中に含まれているリチウムイオン電池による火災の危険性に注意するよう求めている、とホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
小型充電式電池とも呼ばれリチウムイオン電池が使用されている主な製品として、携帯電話、モバイルバッテリー、パソコン、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機などがある。
リチウムイオン電池自体は安全なものだが、破損していると問題が起こるという。
ホノルル消防署危険物担当のジョナサン・ダー・キャプテンは、会見で次のように述べている。
「リチウム・イオン電池の内部で自己発熱が起こり、『熱性暴走』と呼ばれる化学反応が発生する。これによって電池自体が大量の可燃性の毒性ガスを発生し、非常に高温となり、火災の原因となる。電池がオーバーヒートすると、異臭がしたり、形や色が変わったり、異常音が出たりする。こういった場合は『熱性暴走』が起こっている可能性があるので、その機器の周囲から燃えやすい可燃性のものを遠ざけ、911に緊急通報してほしい」
消防では、リチウムイオン電池を充電するときは、屋外か通気の良い場所で行うよう推奨している。
「熱性暴走」の原因としては、電池の破損、欠陥品、過剰充電などが挙げられるという。
11月のカリヒのモンテ・ストリートの住宅火災の原因は、寝室で充電していた電気自転車だった。
電気自転車の周囲には、衣服など可燃性のものが置かれていた。
火災発生当時、5人の家族が家の中にいたが、煙探知機が作動したために無事に避難した。損害は17万ドルと見られている。
2020年1月から2022年12月12日までのおよそ3年間に、オアフ島では386件の建築物火災が起きているが、そのうち58件がリチウムイオン電池が原因だという。
専門家は、電気自転車の使用者に対し、充電中は側から離れないよう推奨している。
また、充電や保管については、必ず取扱説明書の指示に従い、一晩充電し続けるようなことは絶対にしないよう求めている。
ホノルル消防署からのリチウムイオン電池使用についての注意点:
- 電子機器を購入する際は、安全検査合格マークが付いているか確認する。
- 充電や保管について取扱説明書の指示に従う。
- 必ずその機器付属のコードやアダプターを使用する。
- 枕元、ベッドの上など、燃えやすいものの近くで充電しない。
- 電池や電子機器は室温で使用保管し、直射日光に晒される場所に置かない。
- リチウムイオン電池の入っている機器をゴミとして捨てない。
捨て方については自治体のゴミ処理担当局(ホノルル市環境サービス局:808-768-3291)、あるいはこちらから。
https://www.honolulu.gov/opala/quick-links/hhw/batteries.html
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.16)