インド太平洋地区を管轄する国防総省の衛生機関が、来年1月にレッドヒル・ヘルス・クリニックを開設すると発表したとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
レッドヒルの燃料貯蔵施設からの燃料漏出で汚染された水道水を使用したことで健康被害を受けた軍人とその家族は、12月27日からクリニックの予約をすることができるという。
海軍の水道を使用していた93,000人に影響を及ぼしたレッドヒルの燃料汚染水問題では、およそ6,000人に健康被害が出ている。
主な症状は、頭痛、疲労、めまい、肌の炎症、下痢、吐き気で、そのうち75%が1カ月以上にわたり体の不調を訴え、87%が水道の水源が変更されてから体調が好転したと報告されている。
1月に開設されるクリニックで受診できるのは、防衛登録資格報告システム(Defense Enrollment Eligibility Reporting System)の登録者に限られる。
場所はパールハーバー・ヒッカム合同基地内。マカラパにある海軍ヘルス・クリニックハワイ支部によって運営され、一般的な治療から皮膚、脳神経、胃腸、行動ヘルスなどの専門分野まで、一貫体勢で診察にあたる。
汚染水を使用していたある女性は、家族全員に健康被害が出たと話す。
「家族全員、具合が悪くなった。喉の荒れ、胃もたれ、肌の湿疹。15歳の息子は以前はとても元気だったが、今では疲労感のためにベッドから起き上がれない時があるほどだ」
クリニックを監督するケビン・ナカムラ医師は、「多くの人から血液検査の依頼があるが、血液中に石油炭化水素があっても、汚染水を飲んだもしくは触れたことによるものかは判別できない。ガソリンスタンドで給油中にも吸うし、家で芝刈り機に燃料を入れるときに触れる。原因が汚染水道水であるとは明言できない。
今回の汚染水による健康被害が、長期的にどのような影響を及ぼすのか、非常に大きな懸念だが、長い時間をかけて治療にあたり、不安の解消に務めていくつもりだ」と述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.16)