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【My Destination】第3章 「再挑戦」東京マラソン 2012
(前回まで)「世界をまたにかけて働く」ことを幼少からの夢としていた私は、意と反して損害保険会社に入社。順風満帆な生活を送っていたが、急きょ会社が経営破たん。その後の人生を切り開くために渡米しMBAを取得。メガバンク勤務を経て、新たなキャリア形成のため、渋谷にあるベンチャー企業の門を叩く。子会社での副社長経験を挟みつつ、経営企画業務全体を取り仕切る中、遂に悲願の株式上場承認が東京証券取引所(以下「東証」)から降りたのだが、様々なリスクを鑑み上場を中止する決断をした。
2011年の年末は、この会社における全てを捧げてきた株式上場が取り止めとなったことから気分の浮かない状態だったのだが、プライベートに目を向けるとそうも言ってられない現実があった。毎年宝くじを買うようなつもりで応募してきた東京マラソンになんと当選してしまったのだ。
東京マラソン。2007年から始まったこの大会は、東京の都市部を走り抜けるという魅力もあってか非常に高人気の大会となっていた。新宿から皇居に向かい、日比谷公園から今度は浅草に向かう。そして銀座を抜けゴールのお台場を目指す。私が参加した2012年度の参加人数は約35,000人。これが人生初マラソンであったのだが、仕事の忙しさとラクロスで鍛えた体力に自信があったので、練習はそこそこに大会当日を迎えることになった。
スタート地点は自宅からも遠くない都庁前。地下鉄から地上に出ると、そこは普段見慣れたスーツ姿の人たちの姿はなく、ランナーが地上を埋め尽くすかのように集結していた。
とにかく大規模の大会である。まずスタートしてからスタートラインに到達するまでに30分近くもかかった。見渡す限り一面ランナーで埋め尽くされているのだが、その光景はゴールまで変わることは無かった。一定のリズムで歩を進める以外単調なことは一つもない。例えば、市ヶ谷の防衛省前では自衛隊の吹奏楽団がマーチを演奏し、浅草では名物の人形焼きが配られるなどと様々な趣向を凝らしてこの大会を盛り上げていた。
気が付けば30kmの地点である銀座の辺りに着いた。そこで脚に痛みを覚え、それは時間の経過と共に悪化した。最後は脚を引きずるようにしてゴールしたのだが、タイムはなんと4時間半! 初マラソンにしては上出来であった。
(次回につづく)
No. 225 第3章 「再挑戦」
Masa Kokubo
1995年中央大学法学部卒。損害保険会社勤務後、アイオワ州の大学院にてMBAを取得。その後、メガバンク、IT企業を経て、現在はグローバル企業にて世界を相手に奮戦中。趣味はサーフィンとラクロス。米国生活は通算7年。
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