ニューヨークのイーストビレッジに、純和風の日本茶屋がある。『茶庵』Chaan Tea House、連日ニューヨーカーに大人気だ。
あんみつ、抹茶ティラミス、ぜんざい、わらび餅、香り高いほうじ茶や、本格的なお点前でたててくれる抹茶・・・・・・。和菓子や洋のスイーツに精通したオーナーの八木共子さんが、日本から厳選した材料を仕入れ、すべて手作りしている。
昨年の11月、日本航空が成田空港とN.Y.ジョン・F・ケネディ空港の就航55周年を祝ったメモリアルイベントでは、『茶庵』の手作り「桜クッキー」と「金継ぎクッキー」が、乗客にプレゼントされた。
「グルテンフリーの米粉で作ったクッキーです。桜の花の形と色合いが愛らしく、お味はバター風味のベリー風味です」
と話す八木さんは、30年以上ニューヨークで暮らし、寿司や蕎麦、日本酒など11店舗のレストランを経営する飲食のプロ。実際にフードコンサルタントとして、新店舗の立ち上げなどのビジネスもしている。
またハワイラバーでもあり、今年はハワイカイで茶会を催したり、いちご大福などの和菓子教室を開いたりしてきた。
「来春もまた、お茶会や和菓子教室を企画しています。ハワイのスーパーで手に入る材料で和菓子を一から作ることができるんです。おいしいし楽しいし、ぜひ広げたいです」
12月８、９、10日には、『茶庵』と『DEAN & DELUCA HAWAII』がコラボした、ポップアップストアを開催する。JALのイベントでも大好評だった「桜クッキー」と「金つぎクッキー」の３日間限定の販売だ。
「金つぎクッキーは抹茶味、ゆず味、ほうじ茶味の3種類で、すべて24Kの金粉で金つぎの模様がデザインされています。菓子職人が、細い金粉の一筋一筋をクッキーに乗せて仕上げています」
大切な食器のヒビや欠けを、金と漆を練り合わせて補正する、日本古来の“金つぎ”という伝統技術。その美意識がクッキーの意匠に取り入れられているのだ。
「抹茶やほうじ茶、ゆずも本物の上質な素材をたっぷり使っていますので、奥行きのある味わいです」
ポップアップでは昔の茶店で使っていた、赤い野点傘に、お雛様の時に敷くような緋毛せんで“日本”を演出するそう。
「私も着物でおもてなしします。和菓子やスイーツのことなど、ハワイの皆さんとお話しするのを楽しみにしています。ぜひお気軽にお越しください」
（取材・文 奧山夏実）
（日刊サン 2022.12.2）
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