世界最大の活火山であるマウナ・ロア火山(ハワイ島)で地震活動が継続しており、注意報(黄色)が発令された状態が続いているとKHON2が伝えている。
小さな地震活動が毎日のように起こっているため、噴火に向けてのサインである可能性もあるという。地震活動が始まったのは今年7月。9月のピーク時には1日に40~50回の地震が観測されていたが、最近では10~20回となっている。
すぐに噴火するということではないと専門家は見ているが、地震活動以外にも噴火の兆候が見られているという。ハワイ火山観測所の地球物理学者のアンドリア・エリス氏は「頂上付近では上昇率の増加が同じレベルで観測されていて、これは溶岩がマウナ・ロアの浅い貯水池部分へ移動していることを示しています」と述べている。
マウナ・ロア火山はハワイ島のおよそ半分を占めているため、ハワイ島の関係者も噴火した場合どのような行動をとることができるのか事前の対策が非常に困難な状況だという。
また、もし溶岩がハイウェイの一部を塞いでしまったら、住民や救助隊の移動にも大きな影響が出る恐れがある。
ハワイ島の民間防衛隊(Civil Defense)の監督官であるタルマージ・マグノ氏は次のように述べている。
「ハイウェイが使えなくなるということは主要動脈を寸断されるようなもので、命に関わる問題です。数週間前にプナ(キラウエアの山体東側の中低部)の下方へ行ってきましたが、一部の道路は使えなくなったままです。今後再建され生活は元に戻りつつあります。活火山の島で暮らすということはそういうことなのです。山はダイナミックに活動をしていて、私たちはそれに直面して生きていかなくてはいけないのです」
生活している住民はどうすればいいのかという問いには「もし火山が噴火して地域社会に影響を及ぼす可能性について準備をしておく必要があります。事前の準備についていうなら、地震が起こったら、自動車にガソリンを満タンに入れる、プロパンタンクの準備、防災グッズの用意などを怠らないことです。また、家族が離れ離れになってしまった場合に備えて、常に誰がどこに住んで、誰とどこで行動をともにしているかを常日頃から把握しておくことが重要です。離れてしまった場合にもどのように連絡を取るかを決めておく必要があります」と答えている。
噴火の場合には民間防衛隊では溶岩の流れがどこに向かうのか、ピンポイントで示す観測所の地図を頼りに避難活動を行うことになっている。
民間防衛隊とハワイ火山観測所は共同で12月1日(木)午後6時から7時まで、フェイスブックのライブでQ&Aセッションを開催する予定だ。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.11.23)