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【今どき ニッポン・ウォッチング】「自衛官不足」の日本、平和の女神に乞うのみ!
中国の習近平氏が、中国共産党第20回党大会で、予定通り第3期目の党総書記に再選された。習氏はライバルの「共産主義青年団」所属の後継候補を全面的に排除し、自ら党最高権力を有する総書記の地位を確立したのである。この様な党人事の改革において明らかになったのは、習氏が過去自分の直属の部下として働いたことのある幹部6名を、中国共産党最高指導部である政治局常務委員に登用し、徹底的に「一強体制」の政権を樹立したことにある。
習近平総書記がこの度の党大会で発表した3万2千余字の「政治報告」で、特に強調されたのは、「台湾統一」についての「武力行使の放棄を約束しない」との宣言であったことが、最大の関心事であったと言えよう。
わが国では、台湾統一問題については、既に「台湾有事」は、「日本有事であり、日米同盟有事である」と、正式に公表している。そのため、習氏のこの言葉が将来確実に実行されることになると、日米同盟を締結している我が国としても、然るべき実質的な行動を、拒否することはできなくなってしまうからである。
周知のように、わが国の地理的位置は、西側には中国、北側にはロシア、そして北西方面には北朝鮮等、いずれも共産主義強国に囲まれているため、我々が第二次世界大戦後一貫して堅持してきた、今後二度と戦争を起こさない平和共存の誓いは、到底維持できなくなってしまう恐れが十分にある。
島国の小国である我が国は、戦後の約半世紀以上を、確実にこの誓いを堅持してきた。二度と戦争は起こさず、懸命に善隣外交を展開し、廃墟同然の国土をゼロから立て直し、今日のような世界第3番目の経済大国を築き上げ、その成果は全世界の賞賛と羨望を受けるようになっている。このような現実は、人間社会において、平和が如何に人類に進歩と幸せをもたらすかを表すものであり、大切にする必要があると言えよう。
わが国において、目下直面する最大の問題点は、少子高齢化の急速な進展である。そのため多くの人力を必要とする自衛官が、欠乏している状態にあるという。
今の時代では、自国を守るため、外国人部隊の創設も不可能ではないが、我が国にはこれ程の経済的余裕もないし、専守防衛を国是とする国家としても、それよりは国際平和部隊の創設がより大切ではないかと感じる。
近代的戦争では、科学技術の進歩により、武器の性能も電子化が進み、殺傷力も飛躍的に増大している。
二度と過ちを起こしてはならぬと誓った我が国としては、これからは、全世界の平和と発展を最重要課題として、美しき全能の女神と共に、希望に満ちた明日へと邁進しようではないかと思うところである。
今どき ニッポン・ウォッチング Vol.246
早氏 芳琴