マウイ郡(マウイ島、モロカイ島)で、野生の鹿が原因の交通事故が大幅に増加しているとKHON2が報じている。マウイ郡当局によると、鹿に関係する事故の多くは通報されていない。
マウイ郡では近年、野生のアクシスジカの個体数増加が問題になっており、現在は6万頭に達していると推定されている。郡当局は、このことが環境を脅かしているだけでなく、鹿が餌を求めてさまよい、道路を横断する際に車両と接触し、事故が増加していると述べている。
モロカイ警察署のジェイミー・ウィンフリー警部補は、「道路脇には毎週のように鹿の死骸が横たわっている」と話した。
同警察署によると、マウイ郡での鹿が関係する交通事故の報告数は、2018年に7件、2019年に16件、2020年に25件、2021年に100件と年々増加しており、今年は今までのところ61件が報告されている。鹿に関する事故の多くはモロカイ島で起きているが、報告されないことも少なくなく、実際の数はさらに多い。
モロカイ島で自動車修理工場を営むジェナ・マクラリーさんとカラニ・ジョンストン・ジュニアさんは、次のように話した。
「ここ半年で、ドアの傷から車体の凹みまで、修理の依頼が15件あった。鹿の動きは予測できないため、走行中の車両にとっては非常に危険だ。鹿は臆病な動物で、何かあるとすぐに走り出してしまう。車から逃げる途中で、別のものに驚いて急に進路を変える可能性も大いにあるので、動きを予測するのは困難だ」
モロカイ・ハンティング・クラブは鹿の個体数を減らす対策に取り組んでいる。
同クラブのメンバー、トロイ・タンカヨさんは、道路脇の植生を伐採して緩衝地帯を作れば、鹿をより早く発見でき、事故を防ぐことができると考えている。
ウィンフリー警部補は、事故を防ぐためのヒントを次のように説明している。
「飛び出してきた鹿を避けるのは難しいが、見つけたらすぐにスピードを落とすことが肝要だ。群れで移動するため、1頭見かけたら、周囲に多くの鹿がいる可能性が高い。
アクシスジカは夜明けと夕暮れ時に最も活動的なので、対向車がいない場合はライトをハイビームにしたほうが良い。ライトに鹿の目が反射するため、早めに見つけることができる。
また、コントロールを失ったり、他の車両に衝突する危険があるため、何があっても道路脇や対向車線に車を寄せないように」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.11.8)