サウジアラビアが主導するOPEC(石油輸出国機構)にロシアなどが加わるOPECプラスは5日(水)、下落傾向に原油価格を支えるために、11月から1日あたり200万バレルの減産を決定した。
この決定が停滞している世界経済に与える影響は大きいと見られ、さらに、アメリカでは11月の中間選挙直前にガソリンスタンドでの価格が上がることで有権者に与える影響も懸念されているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
現在のガソリン価格はピーク時の夏よりも下がっているものの、今後の原油減産によりアメリカやヨーロッパでは高いインフレ率による景気後退(リセッション)が進む恐れもある。
ロシアによるウクライナ侵攻によりヨーロッパ各国ではロシアからの原油を禁止しているが、今回のOPECプラスの決定は、メンバーの一員であるロシアを支援することになるかもしれないという声も上がっている。
アメリカでは今年6月に1ガロンあたり5.02ドルだったガソリン平均価格が下落傾向にあることで、バイデン大統領は自らの手柄と評価していた。しかし今回の原油減産によるガソリン価格の値上がりを避けることは困難であろうという見方と、物価高騰が続いていることから、11月の中間選挙では民主党が苦戦すると予想されている。
夏には1バレルあたり100ドルを超えた価格で取引されていた原油は、その後84ドル前後で取引されているが、今回の減産の決定を受け、すでに93.21ドルまで上昇している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.5)