毎年ハワイでは9月中旬から12月まで、卵からかえった幼鳥が巣穴から初めて飛び立つ季節だ。
その際に道標とするのが月明かりだが、島の至る所にある人工的な電灯の光のために、鳥たちは月明かりを見つけられずに迷って飛び回り、建築物にぶつかったり、時には力尽きて地面に落ちてしまうこともある。
一旦落ちてしまった幼鳥は、他の野生生物の餌になったり、再び飛び立てずに餓死したり、車にひかれるなど、ほとんどの場合、生き延びることはない。
オアフ島でも毎年数百羽の海鳥が落下して傷を負ったり、命を落としたりしている。その中には成鳥もいるが、多くは掌に乗るほどの小さな幼鳥だ。
ハワイ島を拠点とし、動物の保護とリハビリ活動を行っている非営利団体「ハワイ・ワイルドライフ・センター」は、毎年シーズンである10月に専門家チームをオアフ島に派遣し、飛べなくなった海鳥を救う活動を続けている。6年目を迎えた今年、同団体は、ホノルル動物園にサテライトセンターを新設し、年間を通じて利用できるようにする予定だとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
カイルアのアイカヒ・パーク・ショッピング・センターにある「フェザー&ファー・アニマル・ホスピタル」では24時間体制で海鳥を受け入れているが、ヒューメイン・ソサエティなどオアフ島の数カ所でも同様に対応している。
昨年は560羽が保護され、その96%が再び空に戻っていったという。
センターでは、海鳥の輸送をするボランティアも募集している。
「バード・ウーバー」と呼ばれるこのサービスは、センターが傷ついた海鳥の連絡を受けた時に、ボランティアが自家用車で出かけて受け取り施設まで運ぶというものだ。
昨年ボランティアの人々は、海鳥輸送のために合計3,200マイル以上も走ったという。
海鳥の保護活動は、ハワイ州、ホノルル市、連邦野生動物保護局を中心に、複数の非営利団体、ハワイ・エレクトリック社やヤング・ブラザーズ社などの企業の協力によって行われている。
もし飛べなくなっている海鳥を見つけたら、空気穴のある箱のなかに海鳥を入れて、下記にあるドロップ・オフのロケーションまで。
- フェザー&ファー・アニマル・ホスピタル(カイルア)
- ハワイアン・ヒューメイン・ソサエティ(ワイアラエ)
- ジェームズ・キャンベル・ナショナル・ワイルドライフ・レフュージ(カフク)
- ワイアナエ・スモール・ボート・ハーバー(ワイアナエ)
州国土自然資源局のウェブサイトには、海鳥保護を行っている連絡先や運営時間などの詳細が記載されている。
https://dlnr.hawaii.gov/wildlife/downed-wildlife-contact-details/
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.9.27)