日刊サンWEB|ニュース・求人・不動産・美容・健康・教育まで、ハワイで役立つ最新情報がいつでも読めます

ハワイに住む人の情報源といえば日刊サン。ハワイで暮らす方に役立つ情報が満載の情報サイト。ニュース、求人・仕事探し、住まい、子どもの教育、毎日の行事・イベント、美容・健康、車、終活のことまで幅広く網羅しています。

デジタル版・新聞

今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】コロナ禍に負けない! 日本の若者たちの挑戦

 過去のある一時期、世間から日本の若者は、「国内の高度経済発展により、自己満足に陥り、向上心が喪失しているのにも拘らず、目を覚ますこともできずにいる」との痛烈な批判を受けたことがあった。だが、この度のコロナ禍で、若者が急に目覚めてきたかのような動きを見せているというである。

 日本の高度経済成長の時期、当時の若者たちが口にしていたのは、日本はもう先進国の一員であり、欧米先進国から何も学ぶものはないと錯覚し、外国留学のチャンスをも断るほどであった。

 しかし、この度のコロナ禍で気付いたことは、医学技術がすでに先進国のレベルに達していると言いながら、ワクチン等のの薬剤はすべて他国からの輸入に頼らざるを得ず、経口治療薬の研究開発も数年たった今日に至っても、まだ製造できずにいる状態では、先進国の一員として情けないと思わずにはいられないのである(勿論、疫病のワクチン開発や治療薬の研究製造には長い治験検証が必要であることは承知しております)。

 ある調査結果によると、日本の若者(25から34歳を対象)は、コロナ禍の経済環境の著しい変化により、自分の能力や技術が将来にわたって通用できるかを熟考した結果、転職や再進学が必要であることに気づき始めたということを示唆した。極めて謙虚な気持ちで再進学のため大学院への入学、あるいは外国留学を希望するようになったという。

 一つ実例を挙げると、横浜在住で今年35歳になる会社員女性は、コロナ禍の社会不安の中で自分の将来を真剣に考えた結果、自分の学歴や現在勤めている日本の大手商社での職位、それに勤め先の給与や福利厚生等には、全て不満はなかったが、このままでは目に見える能力向上に期待ができないと感じた。今時のITスキルの最新技術を身に着けるため、職を辞して再進学に踏み切ったと言う。彼女は大学院の「学び直し」講座を受講した後もプログラミングスクールで今も学び続けている。

 この他にも、やはりコロナ禍を機に思い切って転職し、自分の一番やりたい仕事に挑戦し始めた若者もいるというのである。この29歳の好青年は、人々が羨む日本の大手旅行会社に勤めていたが、コロナ禍による会社の不景気で、今時流行のデジタル広告を中心としたPR会社への転職を決め、今では新しい職場での仕事に、毎日挑戦し続けていると言うのである。

 コロナ禍の厳しい不安定な経済環境下では、国内の転職市場も非常に厳しい状態にあるのは言うまでもないが、実は、日本の若者にも、困難を乗り越えて目標に向かって邁進しようとする精神力が漲っているということも確かである。

 日本の若者に、このような精神力が健在であるなら、いつの日かコロナ禍は必ずや克服され、明るい健康的で希望に満ちた日本が戻ってくるに違いない。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.238

早氏 芳琴

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
Twitter
Visit Us
Instagram