6月初旬、モロカイ島のカウラパパ沖で、若いオスのハワイアン・モンク・アザラシが口から釣具をぶら下げた状態で泳いでいるところを、国立公園職員が発見して救助した。
アザラシは釣り針を飲み込んでしまっていたために、カイルア・コナにある海洋哺乳類センターに搬送され、麻酔をかけ、喉から針を取り除く手術が行われた。
海洋哺乳類センターは、絶滅危惧種のモンク・アザラシの救助や治療、および自然に還す活動を行なっている。
その後アザラシは順調に回復してモロカイ島沖の海に戻されたと、ホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
治療にあたった獣医のソフィー・ウオリスキー氏は、「飲み込んだ釣り針を喉から取り除くという複雑な手術の後で、アザラシが無事に全快して海に戻ったことをチーム全員が嬉しく思っています。絶滅危惧種のアザラシの個体数を回復させるためには、1頭の生存が非常に重要なものになります」と書面で発表している。
治療中に、アザラシの体重は25ポンド(およそ11キロ)以上増加したという。
放流されたアザラシには人工衛星タグが付けられ、専門家らが野生の状態でのアザラシを観察し、得られた情報は今後の活動に役立てるとしている。
野生のハワイアン・モンク・アザラシは約1,500頭が確認されており、連邦法と州法で絶滅危惧種として指定保護されている。
ハワイ北西部の海にはおよそ1,200頭が生息している。
最近では、ワイキキのカイマナ・ビーチで1頭が生まれ、多くの人が母子の姿を見守っている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.7.19)