スペイン北部のパムパローナで行われるサン・フェルミン祭は、別名「牛追い祭り」と呼ばれている。
「牛追い」と聞くと長閑なイメージを抱く人がいるかもしれないが、この祭りは、荒れ狂う闘牛6頭の前を数百人の人が街中の通りを走りながら、牛を闘牛場まで導くという、かなり危険なものだ。
今年、7月6日(水)から11日(月)までに行われた5回の牛追いの間に、すでに3人が亡くなっているとフォックス・ニュースが伝えている。
スペイン国営放送局によると、路上で牛に倒されて亡くなった男性が1人、闘牛場に到着してから突き倒された男性が2人いるという。
そのうちの1人は、フロリダ州サンシャインから参加した25歳の男性とのことだ。
亡くなった3人以外には、3人の怪我人が出た模様だが、いずれも軽傷だという。
14日(木)の最終日までにあと3回行われる予定だ。
1回の牛追いは3分間で、6頭の闘牛が人々の後を追いかけながら闘牛場まで走る。
スペイン3大祭りのひとつに数えられ、毎年多くの観光客を集めている。
3世紀に存在したと言われているパンプローナの守護聖人、聖フェルミンを讃える宗教儀式が起源とされている。
地元の伝説によると、聖フェルミンは信仰のために迫害され、牛に縛り付けられて引きずられて命を落としたと言われている。
スペインにおける牛追いの伝統は、聖フェルミンと特に直接の関係性はなく、13世紀に始まっている。
新型コロナ感染対策のために過去2年間中止になっていたが、今年は盛大に行われた。
過去16人が、この祭りで亡くなっている。
写真:Photos Time / Shutterstock.com
(日刊サン 2022.7.13)
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