アメリカには「歯の妖精(トゥース・フェアリー)」と呼ばれる妖精がいる。
抜けた乳歯を枕元に置いて寝ると、妖精が乳歯を持っていく代わりにお金やプレゼントを置いていくと言われている。
6歳のレナ・ラーモンちゃんは、家族と共にノルウェー旅行からサウスカロライナ州の家に帰る途中、飛行機遅延のために、中継地のニューヨークで36時間も待たなければならなかったとフォックス・ニュースが伝えている。
レナちゃんは、ユナイテッド航空の機内で、疲れて熟睡してたために、乳歯が抜けたことに気がつかず、スーツケースを受け取る頃になって、初めて歯がないことに気づいた。
「オーマイガッ。歯がなくなってる!」
そして、「歯の妖精に渡すものがなくなった」と泣き出してしまった。
両親と兄のブライアン君と共に飛行機へ戻って乳歯を探そうとしたが、午前2時という時間のために、セキュリティーの扉は閉鎖され、中に入ることができなかった。
家族が乗務員用出入り口へ向かったところ、そこには今まで乗っていたユナイテッド航空の乗務員たちがいた。
事情を知った乗務員たちが、泣いているレナちゃんを慰めているところに、機長のジョッシュ・ダチョー氏がやってきた。
機長はカバンから紙を取り出し、手紙を書き始めた。
「歯の妖精さんへ、レナちゃんはグリーンヴィルへ帰る途中の飛行機の中で乳歯が抜けました。どうかこの手紙を、なくした歯の代わりに持っていってください」
レナちゃんが、この手紙は本当に歯の代わりになるのかと尋ねると、皆が絶対大丈夫だと答えたという。
母親のローレンさんは、「皆さんが娘に優しくしてくれて、ジョッシュ機長は本当に状況を好転させてくれました」と述べている。
レナちゃんが機長の手紙を枕元に置いて寝たところ、歯の妖精から返事が届いたという。
「レナちゃんへ、事情はわかりました。私がなくなった歯を見つけましょう。歯磨きをこれからも頑張ってね」
ユナイテッド航空は、この件について以下のように発表した。
「旅行を単にお客様をA地点からB地点へ運ぶものだとは考えていません。ユナイテッドに乗ることによって、お客様に良い思い出を作っていただくことだと考えています。お客様の期待を超えるような、今回の機長の行動を誇らしく思っています」
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.7.8)
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