パキスタンでは4月に、イムラン・カーン前首相が不信任投票によって失職し、シャバズ・シャリーフ氏が新首相に就任したばかりだ。
シャリーフ首相は非常に深刻な状態にある経済を改善させ、60億ドルの救済パッケージを復活させるために、国際通貨基金によって設定された条件を満たすことを国民に約束している。
新首相によって経済計画省大臣に任命されたのは、アーサン・イクバル氏だが、同大臣が6月14日(火曜日)に国民に向けて「お茶を飲まないように」と訴えたため批判にさらされているとKHON2が伝えている。
パキスタンは、世界で最もお茶を輸入している国の一つで、2億2,000万人の国民のほとんどがお茶を好み、1日に平均3杯飲むとされている。
政府は大量の茶葉を輸入しており、そのために6億ドルがパキスタン中央銀行から支出されている。
深刻な経済危機の中、茶葉の輸入を減らすという目的で大臣は呼び掛けた。
「皆さんにお願いがあります。1日に飲むお茶を1杯か2杯減らしてください。なぜなら、私たちの国は茶葉を輸入するために借金をしているからです」
これに国民は反発し、内閣に対する批判が巻き起こり、一部からは大臣の罷免を求める声が上がっているという。
「昨日はお茶を飲むなと言い、明日には食べるなと言い出すかもしれない。経済危機の解決法はそんなものなのか?」
パキスタンでは、ガソリン、天然ガス、電気などの価格が45%も上昇しており、食料品の値段も跳ね上がっている。
国際通貨基金の要求に応えて、燃料に対する補助金を廃止し、富裕層に対するさらなる課税を行う予算を提出したばかりだ。
燃料費を抑えるために長時間の停電が実施されており、国民の間で不満は高まっている。
6月15日、パキスタンの貨幣ルピーは、アメリカドルに対して史上最低を記録している。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.15)
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