ラグビー・リーグワンの初代王者を決める決勝が、東京五輪の開会式の舞台と同じ“ビッグスタジアム”国立競技場で5月末の日曜日に開催されました。
決勝は3万超えの大観衆
当日は気温が30度を超え、初夏らしい青空が広がる快晴の日。同じ国立競技場で1月に予定されたリーグワンの開幕戦は、選手にコロナの陽性者が多数出て開幕直前に中止となる波乱のスタート。その後も見えない敵コロナに翻弄された初年度でしたが、前身のトップリーグ時代からの強豪の東京サンゴリアス(元サントリー)と埼玉(元パナソニック)が激突した決勝には、3万3000人以上のファンが集いました。
地上波で生中継もされた歴史的試合は、東京SGが現役のニュージーランド代表であり、その笑顔で人気を呼んだFBマッケンジーのPGで先制。ただ、網の目を張ったような固いディフェンスを誇り、“野武士軍団”の愛称を持つ埼玉が東京SGの攻撃の芽を徹底的につぶします。
ノートライに抑え埼玉が優勝
チームプレイを徹底した埼玉が、ジワジワと追い上げて手堅くトライを重ね、結局、相手に1本のトライも許さない“完封”で勝利。18-12の最終スコアで優勝杯をその手にしました。
笑わない男・稲垣もやや安どの表情
現役の日本代表を数多くメンバーに並べ、チームにコロナ陽性者を出し不戦敗となった2試合を除く今季16戦全勝で頂点に立った埼玉。日本開催の19年のW杯で〝笑わない男〟として一躍有名になったPR稲垣啓太は試合後、「なかなかシーズンを通して調整が難しかった。いい形でシーズンを締めくくることができて本当に嬉しい」と、喜びと少しの安堵を表情ににじませました。
最終戦では体力消耗の激しいスクラムの1列目として、異例の80分間フル出場。今季は全試合に出場し、文字通りチームの屋台骨を支えました。
翌日にはリーグ表彰式
決勝の翌日には「リーグワン2022アワード」が都内ホテルで開かれ、私も参加してきました。ベスト15に選ばれた稲垣は今年1月に、元プロ野球選手の新井宏昌さんを父に持つモデルの貴子(きこ)さんと結婚。司会者から新妻について聞かれると、普段の理路整然な口ぶりから一転。「…難しい質問ですね。まずはお互いのことを精一杯やって余裕があれば、お互いのサポートをすればいいと話していますが、本当にたくさんサポートしてくれて新しくできた家族に感謝したい」と語りました。
ラグビーにまつわる服飾ブランド
表彰式ではチーム揃いのスーツ姿の選手の中、一瞬目を引いたのがチラリとのぞいた稲垣の鮮やかなパープルの靴下。緻密なプレー同様、細かい点へもこだわりが。実はもともとおしゃれ好きな稲垣は、モデルの奥様と「HPole」という服飾ブランドを最近立ち上げています。
「H」ポールとは、その形からラグビーのゴールポストのこと。今年4月に新宿の伊勢丹に期間限定で出店され、ブランドディレクターの稲垣と貴子さんも店舗に立ち話題になりましたが、ピッチ外でも個性的な活躍が光ります。
さぁ、埼玉が初代のチャンピオンに輝いたリーグワンが終了すると、6~7月は各国代表のテストマッチ月間。稲垣も選ばれている日本代表は、来日するウルグアイ代表、フランス代表と試合を行います。来年9月のW杯フランス大会に向けた強化が本格化します。
東京・大手町発 マスコミ系働き女子のひとりごと Vol.47
(日刊サン 2022.6.10)
竹下聖(たけしたひじり)
東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。
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