現在オアフ島では、10%の自主的な節水が求められているにもかかわらず、昨年と比べて水の消費量が増加しているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
今後もこの状態が続けば、干ばつや森林火災の危険が懸念されており、平年よりも乾燥する夏が予想される中で、給水制限の可能性も考えられるという。
ホノルル水道局の広報担当者、キャサリン・エリオット・パヒヌイ氏は、「各地で乾燥が続いています。非常に大きな問題となっていると言えます」と述べている。
同水道局では、3月から各家庭で10%の節水をするよう求めているが、この夏状況がさらに悪化すれば、水道水の使用に規制を設け、新しい建設プロジェクトの停止を求めるようになる可能性もあるという。
水道局では、節水規制を回避するために、少しでも水量を増加させようと水道システムの調整や修理を行なっている。
4月の降雨量は例年の71%と低い数値であるため、自主的な節水を引き続き求めていくとしている。
水道局水源課のバリー・ウサガワ氏は、「水不足が続き、深刻な状態です」と述べている。
オアフ島内では水の使用量が増加しているものの、行政や一般からの協力がなければ状況はさらに悪化していた可能性もあるという。
ホノルル市の公園およびレクリエーション局では、10%以上の節水を達成している。
カピオラニ公園やトーマス・スクエアをはじめとする公園で、樹木や芝への水やりの時間を短縮、水やりの時間を可能な限り夕刻に行う、噴水の稼働時間の短縮などの措置をとっている。
気象庁では、この夏は平年よりも乾燥すると予想しており、島内のほとんどの場所で干ばつの状態が広がるとみている。
空気が乾燥し、干ばつの状態では、山火事の危険が大きくなるが、その時期は、これまでの7月下旬から8月上旬よりもかなり早く、風下側の地域が最も危険だと予想されるという。
ホノルル消防署と州森林野生動物局ではすでに対策協議を始めており、山火事防止のために次のような注意を呼びかけている。
- 樹木伐採のためのチェーンソーなどの機材やRV車には火花防止装置が設置されており、定期的にメンテナンスされていることを確認する。
- 車は、舗装されたあるいは草が刈られている場所に駐車し、熱によって乾燥した草に引火しないように注意する。
- キャンプファイアーやバーベキューをするときには周囲10フィートに植物がないところを選び、万が一の場合のために水と、土をかけるためのシャベルを用意する。
また、節水のための注意点は以下の通り。
- 庭芝の水やりを週1回か2回に減らし、午前9時から午後5時までは避ける。
- 節水型のトイレやシャワーヘッドを利用する。
- シャワー時間を短縮する。
- 庭のホースにノズルを装着して、流しっ放しにしない。
- 歯磨きや髭剃り、皿洗いの時にこまめに蛇口をしめ、水を出しっ放しにしない。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.6.7)