庭のプールも古くなると壁や底辺のコンクリートの表面が侵食されて細小なデコボコに。週一程度の「素人プールマン」では手に負えなくなり、水を抜いての大作業になります!
修理の手順はまず水中ポンプで水を抜き、空のプールの壁面や底面を乾燥させ、割れ目や表面の凸凹をなめらかにシーリングします。必要ならコンクリートのやり直しも行います。プリマーペイントで下塗りをし、それが乾燥したところでプールペイントを塗るのです。これを何日か掛けて十分乾燥させれば、再び注水です。
そんな我が家の古プールの修理を自分でやりました。結構な手間と機材(水中ポンプ、砂バキューム、高圧スプレイなど)が掛かり、失敗も多くしましたが、なんとか終了しました。
これらの作業中痛感したことは、少し水が溜まっている状態でも、水底の凸凹をセメント・シーラーで直したり、ペイント塗りができればとても便利だけどなあ~ということです。水中で固まるセメントがあればと考えたのです。
これまで、海を渡る大きな「橋桁」や海中での建造物を構築するのに、特殊な化学製剤を混ぜて、「水中用のコンクリート・セメント」を作成し使用するのは承知していたのですが、市販され簡便に利用できるものは、大手のアマゾンやホームデポなどでも見つかりません。粘土細工のパテのようなものがあり、それらを丹念にこねて、水中の割れ目なり水漏れ穴に充てがってふさぐものです。少量なのにずいぶん高額なのに驚きました。
ところが日本のサイトで、なんと「水中セメント」なる商品を見つけたのです。しかも入手しやすい価格ではありませんか!
水中セメントは文字通り水中でも硬化し、ばらけることなく施工ができ、数時間で固まります。通常のセメント財に「水中不分離性混和剤」を添加して作られ、既に幾つかの会社から販売されているのです。その一つが写真のものです。
使用法は、(1)水は抜かなくても良いが、「水の流れ」は止めること。(2)塗装部は汚れや凹凸などを除去しておくこと。(3)水900ミリリットルと商品(1.3k用)を、バケツ等でよく混ぜ、均一にしておく。(4)練り混ぜたものを、静水中の欠損部に圧着する。できればゴム手袋を使用すること。欠点としては、底辺部には向きますが、垂直面には不向きなことがあるようです。
価格は、1.3~1.5kg入りのものが600円から900円位。15袋入りセットも8000円から11000円位です。従って、必要なだけ購入すれば良いのも素人DIY向けと言えます。カラーも白、黒、グレー、ベージュ、ブラウンなど数種あるようです。
No.315
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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