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【今どき ニッポン・ウォッチング】日本「ギフテッド」教育の改革に着手!?
「ギフテッド」教育という語彙は、教育の専門家以外は、余り馴染みのない言葉である。一般的に、子どものIQ(知能指数)がすごく高く、記憶力が素晴らしく、加えて集中力もあるため、同年代の他の子どもたちとの学習進度に差が出てくるのはよく知られている現象である。この様な子どもは思考力が特に高く、判断力も優れて、時には大人も顔負けする考え方を持つこともある。好奇心が旺盛で、完璧主義に徹する子もある。日本ではそんな子どもを『天才である子』として称賛することもあったが、一部の外国ではそのような子を「異才」の能力を有する子として、注意深く特殊な教育指導を行うことがあるそうである。
それは、このような子どもを注意深く観察分析した結果、次のような認識に至ったからだ。これらの子どもは、非常に敏感であり、物事に深く、強烈な感情を覚えたり、激しく反応するからである。そして早い時期から社会の不平等や、政治問題に関心があり、自分の考えに耽りやすく、空想家のような態度をとり、物事を違うやり方でやったりすることに興味がある。そのため、学校の授業が面白くないと、我慢の限界が極端に達し、不登校になることもある。他にも、自分の考えが同級生の共感を得られず、孤独になりがちで、いじめの対象となってしまうこともよくあるというのである。
要するに、今日本の初等教育で起こっている諸問題の一つに、「才能」のある子がある一方で授業が退屈で不登校になったり、人間関係が苦手でいじめられたりするのがいるのに、学校ではその実態が見過ごされている現状がある。そのため、日本の文部科学省が昨年6月から専門家を集め対策を検討し、改善策を練り始めるようになってきた。
ある調査によると、目下日本にはこの様なIQ指数の高い児童が約250万人(目安)あり、未だ適切なサポートを受けてられていない。一方、アメリカでは、この様な知能指数の高い子どもは約300万人おり、早くからこのような子どもたちに対する特別の教育方針が展開され、徹底的な改革案が制定されているという。英国や韓国、それに中国でもこの問題に関し、国がその教育の制度化に取り組んでいるという。
日本は世界的に少子高齢化の最も厳しい国である。これら知能指数の特に高い子どもたちが、唯一つの特殊技能の面において、その高い知能指数を有効・活用展開できるようにさせるばかりでなく、わが国の各面にその特技や才能を更に発展させることが出来るよう、より多くの人々との協力発展に尽力できる機会を与え、全国に更なる多くの花を咲かせるようにすべきであるというのである。
この問題についての多くの教育専門家は、これまでの所謂「英才教育」と称してきた教育方針は、既に改革の必要に直面しているという意見が大半になっている。今や、国がなすべきことは、寧ろ才能のある子どもたちの直面している問題点を先ず新たに認識し、その問題の解決策を徹底的に究明し、真摯にその解決策に取り組まなくてはならないのであろう。
今どき ニッポン・ウォッチング Vol.231
早氏 芳琴