州衛生局は、マウイ島に住む子供が小児急性肝炎に罹った件について調査を開始したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
肝炎の原因はほとんどの場合ウィルス感染によるものだが、この小児に関しては、どこで感染したのか原因がわからず、衛生局が原因究明に動いているという。
マウイ島で4月末、ある小児(10歳未満と発表されている)が腹痛と熱のために数日間入院し、その後退院した。
入院中に各種の検査が行われ、小児急性肝炎を患っていることが判明した。
衛生局は、「現時点で原因は特定されていないが、アメリカ疫病予防管理センター(CDC)と連携し、原因究明していく」と発表している。
CDCでは、アメリカの24州及び属州のプエルトリコで、感染原因が特定できない100件以上の小児急性肝炎について調査を行っているが、そのうち5人が亡くなっているという。
小児急性肝炎のおよそ半分は、アデノウィルスによる感染とされている。
アデノウィルスは通常、風邪やインフルエンザのような症状を引き起こすウィルスだが、ときには胃痛を起こすことがあるといわれている。
CDCは4月21日、アラバマ州の病院で9人の子供が原因不明の小児急性肝炎に感染するというクラスター(集団感染)が発生したと発表している。
昨年10月から今年2月にかけて、1歳から6歳までの少女7人と少年2人が嘔吐、下痢、熱の症状を発症した。
9人は全てアデノウィルスに感染していたが、感染経路については不明だ。
世界保健機構(WHO)によると、スコットランドで4月初めに10件の感染が報告されて以来、世界中で200件以上の原因不明の小児急性肝炎が報告されているという。
ほとんどは英国内だが、スペイン、イスラエル、デンマーク、イタリア、フランスなどでも確認されている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.5.10)