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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】暴力団との決別で警察は援助を惜しまない!?

 日本の暴力団は、外国のマフイア組織と同じように、社会の安寧を乱す元凶であると見なされてきた。幸い、日本の暴力団は外国のマフイアほどは諸悪の手段は及ばないという説もあるようだが、やはり社会的に嫌われている人達の集まりであると見なされているのは言うまでもない。だが幸い、日本の治安当局の方々の、職務への忠実さと強い責任感によって社会の安定が保たれてきた。

 日本の警察庁の発表によると、元暴力団の組員が所属の組織を正式に離脱すれば、本年3月から銀行での預貯金口座を開設出来るようになった、というのである。警察当局はこの新しい政策を直ちに全国の都道府県の警察機関に指示するばかりでなく、金融庁を通して各金融機関への周知をも要請する程であった。

 

 日本の金融機関は過去永い歳月において、元暴力団の組員から口座開設を申し込また場合、一般的に「暴力団排除条項」に基づき開設を拒否してきた。この条項以外にも、多くの金融機関では「反社会的勢力」に関する独自のデータベースを作成しており、そのデータベースに氏名が登録されていれば、契約は必ず拒否されるのは言うまでもない。これは「契約自由の原則」という規定に基づき、銀行側が拒否できるようになっているからである。

 このように見てくると、日本では誰が一度暴力団の構成員になったら、生涯は日本の金融機関での銀行口座の開設は、殆ど不可能ということになるのである。それがなぜ今、日本の警察当局がこのように、これら社会のトラブルメーカーであった人達に寛容な態度に切り替えたのであろうか。

 その理由は、今までのような暴力団に対する厳しい制限が、却って暴力団員の更生の機会を閉ざす実態が徐々に明らかになってきたことだ。

 例えば、元暴力団の組員が銀行口座の開設が不可能ということで、組織を正式に離脱し再就職した後、給与の振り込みや家賃の引き落とし、それに携帯電話の契約が出来ないなど、社会復帰の足かせとなるケースが多く見らでるようになってきた。これが警察当局の積極的な口座開設の政策変更を決断させた主な原因であったと言われている。

 

 日本経済は近年決して順風満帆ではない。自分に合った職に就けない若者が邪道に走る可能性も十分にある。さらに心配されるのは、日本の暴力団がより厳しい制約に堪えることが出来なくなると、更に凶暴化に変質し、外国のマフイアの形態に転換されるのを関係当局が危惧しているからである。

 日本は自由、平等の民主主義国家である。日本の社会が、日々進歩し、改革を求め、国民の生活をより安定と豊かにするのが、政府の最も基本的な目標である。日本の治安当局のこの臨機応変に対する政策変更を、関係各位が理解し協力し合い、確実に実行しさえすれば、日本の社会はきっとより良い、安心・安全な理想的な社会が実現できるようになるであろう。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.230

早氏 芳琴

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